西国街道は高槻を東西に横切り、少し東に進めば島本町。歴史の通過地点と納得出来る。 JR島本駅が新設されて始めて、降りてみた。 左手に桜井駅跡、右手に歴史資料館がある静かなロータリーである。 この桜井駅跡は以前西国街道のすぐ側の森閑とした所にあったと記憶しているが、いまや明るく親子の遊びの広場に最適な場所になっているが、公園デビューという語は死語になったか見当たらない。 楠木父子訣別之所像のセンチメンタルな思いも殆ど感じられないが、戦中・戦後派にはよく聞かされた歴史の一駒であった。 旧西国街道の存在も高槻市内と同様にこれがと思う程、民家の中の路地的イメージになっている。 駅跡公園の南側の旧街道に沿って東に10分程行くと、後鳥羽上皇ゆかりの水無瀬神宮がある。 茶室は重要文化財に指定されているが、公開されていないのが残念。 境内内の水は大阪府100選に選ばれた名水である。 ポリタンクやボトルで汲みに来る人が絶えない。 その人達に尋ねてみるとアレルギーがなくなった、癌の再発を免れている、美味しいと口々にその御利益を話される。 信心は大なり。 御本殿正面の御門の右側の柱に盗賊石川五右衛門の手形がある。 いつぞやの盗みに入った時のものとか、皇族ゆかりの寺でさぞかし財宝をもっていたのであろうと察するがこれも信じるしかない。 山手には万葉に詠まれた水無瀬の滝、戦国時代には明智光秀、羽柴秀吉等々往き駈った明智越え、今や名神と171号線に代表される文化と経済の要衝の地で、高槻とは良きライバルであり、交流を持つべき街である。 文責 上村サト子
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