とけいそう
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善峯寺の遊龍の松を鯉が登るって・・・?

 高槻に近くて紅葉の姿と親しみやすい景色と盛り沢山な見どころのあるお寺のお薦めは向日市善峯寺です。
紅葉  開山は約1000年前、比叡山修行僧源算上人という方らしい。その後の当山の諸堂には徳川5代将軍綱吉の生母桂昌院(お玉の方)にまつわるものが多い。その中でも桂昌院の両親が祈願した薬師堂はこの名にあやかって[玉の輿]に乗るのを願う参詣者が多いというが、当世のお若い方にはこの言葉はお蔵入りではないだろうか。ちなみに源算上人は117歳の長寿だったと。今流に言えば住民登録のない時代、本当に成仏されたのは何時?と問われるかもしれない程、深山のお寺であったろう。
 特に当山を有名にしたのは西山三山(光明寺・楊谷寺)の紅葉の美しさ競う他、天然記念物“遊龍の松”と本坊にある片岡鶴太郎の襖絵公開特別展である。松は樹齢600年、五葉松で平成6年以前は54mあったらしいが松くい虫被害で15mも短くなった現在も日本一と記されている。
遊龍の松 この遊龍の松と急流を登りきった鯉が龍になるという伝説を創造して出来あがった片岡鶴太郎の“游鯉龍門図”の襖絵である。これは善峯寺本坊の100畳、25面にわたって鯉の大群が飛び跳ね、大座敷を回遊している。そのタッチ、色彩、構図は彼独特の非凡な才能を顕示している。他に左手で描いた書画が展示されている。それは稚拙ともいえる字体だが全体バランス良く面白い。あえて左手を使ったのは、右手では上手く描こうとする欲がでるが、“無”の心を生み出すためだと説明を受けた。
 善峯寺に行かれるには特別展のある紅葉シーズンにJR向日市駅前始発の阪急バスに乗る事をお薦めします。素人にとってカメラポイントは山ほどある。

記:上村 サト子   


善峯寺の庭

游鯉龍門図

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