とけいそう
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建仁寺の四頭(よつがしら)茶会
”日本の文化に触れる一日 ”


 例年春に京都の建仁寺さんで開かれる大茶会に、毎年参加させてもらっています。
茶道は若い頃に、ほんの少しかじった程度で不作法な私ですが、なぜか慣れない着物に身を包み、いそいそと出掛けるのでした。
 建仁寺の中に散在する塔頭の寺院に、表千家、裏千家、煎茶の席がそれぞれ設けられ、あと本山の大方丈に「本席」があります。
朝の10時から夕方にかけて、この四つの茶席を回るのです。
 綺麗に手入れされた寺院の庭を背景に、亭主の見事なお点前に見入り、日頃お目に掛ることの出来ないお道具を拝見させて頂き、美味しいお茶とお菓子を頂きます。
 これらの茶席の中で一番楽しいのが「本席」です。
本山の中の待合では紫や萌黄の衣を着た老師さんから茶会の説明等があり(建仁寺開山の栄西禅師が中国より茶種を持ち帰り喫茶の作法を広められたそうです)、その後大方丈で若い修行僧達(一休さんや弁慶のような)が、縁高に入ったお菓子と高茶台に乗ったお茶を、ドスドスと足音高く運んで来て、客人、一人一人の前で、抹茶が入った茶碗に湯を注ぎ、茶筅でお茶を点ててくれます。
この作法は実際に僧侶の食事の後の茶会で行われている作法そのものだそうです。
 いつもは修行僧が行き交う寺院内も、この日ばかりは思い思いの着物で着飾った御婦人方で(殿方も少しは居られますが)賑わいます。
 茶会を通して茶花、お道具、書、もてなしの心、・・・・・
 日頃忘れている日本の文化に少し触れる一日です。

記:K.T   


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