俗に「茗荷を食べると物忘れがひどくなる」と言われるが学術的な根拠はなく、むしろその香りの成分には集中力を増す効果があるとか、安心した。
我が家の狭い庭の片隅でほのかなピンク色の透けそうな花が地面から顔を出した時は夫婦して喜ぶ。
釈迦の弟子に、槃特という者がいたが、自分の名前すら忘れてしまうので、その名を旗に書いて背負わせていた。
しかし、それさえも忘れてしまうほどだったらしい。
槃特の死後、見慣れない草が生えていた。
その草を「名」を「荷う」ことからこの草を茗荷となづけた。
私達は花穂と若芽の茎を食用する。東アジアが原産。
日本山野で自生しているものもあるが、人間が生活していたと考える場所以外では見られない。
そう言えば熊野古道の山中でも茶屋跡に見られた。
2019年11月27日
上村 サト子
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