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紅花

 紅色の染料で有名な植物だが、7月ごろ咲き始めた花は黄色、しだいに赤っぽく変わるが、紅色とは思えない。
でも平安王朝の女性の口紅にされ、桜色の衣装を染め、古代エジプトのミイラの布の防腐剤にも使われた。
奈良県生駒郡の藤ノ木古墳からも花粉が発見されているので、衣装か防腐剤にも早くからその効能を知られていたのだろう。
6世紀に高句麗の僧侶が日本に紹介し、推古天皇時代から記録があるそうだ。
源氏物語の「末摘花」の事。姫の鼻が赤いことから「紅鼻」とも呼ばれ、「紅花」にちなんで「末摘花」、光源氏が亡き姫を弔う喪服にこの花を使用したという。
良質食用油にも動脈硬化防止の生薬にも利用。写真が撮りたくて去年の秋に種から植えて、やっと7月に咲きました。昆虫の蜜を吸っている姿がカメラに写って幸せでした。

2019年8月20日    
記・写真 上村 サト子