和紙の原材料は主にミツマタ、コウゾ(楮)、ガンピ(雁皮)があり、それぞれ特長があります。
ミツマタは繊維が柔軟で細くて光沢があり、印刷性に優れているので、日本銀行券の原料として使用されています。私達にとって欠かせぬ存在です。
特に徳島県産のミツマタを大蔵省印刷局に納めていますがその優秀性は世界に誇れるらしいのですが、それでもニセ札騒ぎになるのですから、鼬ごっこでしょうか。
写真のミツマタは茨木市の山間部の民家の垣根の中にありましたので、十分観察出来ませんでしたがその枝先が三叉、すなわち三つに分かれて花房が付いたのが名前の由来です。古代には春一足先に淡い黄色い花を一斉に開くため、別名「先草=サキクサ=幸草」とされ、縁起の良い草とされていました。
徳川家康が将軍になる前の慶長3年(1598年)伊豆修善寺の製紙工の文左右衛門にミツマタの使用の許可したが、当時特定の許可を得たもの以外は禁じていたと公文書に残っているほど管理されていたようです。
ジンチョウゲ科。英名Oriental paperbush
2016年3月30日
記: 上村 サト子
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