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酔芙蓉(すいふよう)


 遠く平安の頃から観賞され、人々に愛されてきた芙蓉の花。
芙蓉は中国ではもともと「蓮の花」のこと。
水の中に咲くものを水芙蓉、木に咲くものを木芙蓉と呼んでいました。
一日花で、朝に咲き、夕には萎んでしまいます。この酔芙蓉は朝のうちは純白、午後には淡い紅色、夕方から朝にかけて紅色の赤ん坊の手のようになります。
酒を飲むと顔色がだんだんと赤みを帯びるのに似ていることからこの名になったのでしょう。
まさしく薄命の情。花後、球形の実を結ぶ。冬には根元まで切り捨てられるがその時芙蓉の実が飛び散るかすかな音に昔人は風情を感じると歌に詠みます。
現代人は自動車音に消されて、風情もなし。芙蓉は切られても翌春再び2−3mまで成長するご心配なく。
花言葉は「繊細な美」「しとやかな恋人」あ〜その時代も過ぎました。
※マウスを花の上に行きますと、赤い花とくなります。
2015年10月17日  
記: 上村 サト子   


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