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カンナ


熱帯を感じさせる代表的な花であったのに、最近すっかり見なくなった。
現在では河原などで半野生化していることが多くなった。それもその筈、ギリシャ語で「葦」を意味するとか。
私が写真を撮ったカンナのある家の人はこの花の咲いている事を気にせず、放りだしているのではないかという様子。
花後に出来る種はこげ茶色で非常に堅い球形。その堅さを活かしてマラカスやおもちゃの「がらがら」の中身にされる。
この堅さで発芽は悪いが根茎で翌年また芽をだす。
私の夫は韓国育ち、戦前の小学校の教科書から憶えていて、口調良くカンナの詩を唱える。
夫と同い年の姉は日本の教科書にはなかったと言い、何度も真似たが覚えられなかった。

"カンナの花の血の色よ。町のいとこが帰る時、あれほど欲しいと言ったのに、ついやらないでそのままに別れた事を思い出す。 "
この詩をあなたも口に出して読んでみて!
2015年9月3日  
記: 上村 サト子   


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