広報「たかつきDAYS令和2年12月号」“市バス終点さんぽ”のキャッチフレーズに興味をそそられた。
12月7日、友人とまずは梶原東行きに乗ることにしたが、待ち合わせミスで予定のバスを逃してしまい、慌てて次のバスの成合行きで磐手小前から歩き出して、逆コースをたどることにした。
バスを降りて名神高速を左手に見ながら、東に向けて歩き出すと、10分くらいで磐手の杜神社の前に来た。鳥居をくぐると夜啼き石という奇岩が安定よくド〜ンと構えている。その昔高槻城に移したところ、「安満へいの〜」と啼いたので、もとの場所に戻したという伝説がある。
神楽殿には鹿が描かれた大きな額が掛かっているが、この安満一帯は奈良春日大社の荘園になっていたそうで、奈良の鹿と縁があるらしい。毎年5月5日に行われる馬祭を令和2年のニュースで聞かなかったのはやはりコロナの影響か、令和3年には復活してほしいもの、コロナの収束を願って二礼二拍手一礼で参拝する。
次に訪れたのは檜尾川が南下するあたりにある日蓮宗の法照寺だった。
高槻城主の永井家の第一家老であった長田家の菩提寺だが何より毎年春場所の頃、JRから相撲部屋の幟が見える事で知られている見晴らしの良い所にある。境内の枯れ葉を掃除しておられた住職の奥様の人柄の良さにも魅かれて、夏には水鉢の蓮の花を見に来たくなった。旧西国街道沿いには日蓮宗のお寺が次々と続いている。15分もしないうちにまた日蓮宗の、昔梶原寺と呼ばれていた田中寺(でんちゅうじ)の標識がみつかった。このお寺と畑山神社が隣り合わせにあり、昔は一体となっていた。明治新政府の神仏分離令により神道と仏教が分離されて、日本あちこちに共存している所はあるが、畑山神社のように社頭に鳥居と寺の山門が同時に見られるのはその証しであり、珍しいらしい。たまたま境内に普段着で出てこられた田中寺のお住職さんは気さくに講話ともダジャレとも知れない会話をされたのはまた珍しい。改めて講話を聞きたいものだ。
今回の終点手前にあるのはやはり日蓮宗の一乗寺である。以前この会員便り2019.4に樹齢800年のクスノキの素晴らしさを紹介したが、この日も青空の下でその雄大さに感動した。その上境内の西側に黄金の大イチョウの木と12月の寒桜を見ることが出来、新しい発見であった。クスノキの大木の横から山道をのぼり、枚方までの高槻を一望してから、市バス終点梶原東停留所にもどり、当初の逆コースが功を奏したさんぽは終わった。
天気良し、見晴し良し、見所多し、運賃無料、出会ったすべての人々また良し。
これからも名所と自然と人との出会いなどをもとめて、市バス終点を極めよう。
2021年1月3日
上村 サト子
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