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石鎚山の霊験再びあらたかなれ


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 昔とった杵柄と自信ありげな女性4人が愛媛県の石鎚山に旅行した。
だが如何せん平均年齢80歳弱ともなれば重いリュック担いで修験者の鎖道を登るというわけにはいかない。ロープウエイとリフトを使って中腹まで行き、小一時間紅葉道を散策する程度である。
石鎚山の頂上は四国最高峰1982mで山岳信仰の山として崇められてきた。1〜3と試しの4つの鎖場がある。
昔は女人禁制でもあった。リフトの着く展望台駅、標高1400mに向けてリフトに乗っていると、雨が降ってきて傘をさすやら、風が出て一瞬リフトがとまり、あれ!これは新聞ネタと思いきや20-30秒で動き出したのでほっとした。展望台につくと、霊峰は霧に隠れているが、霊験あらたか、紅葉を愛でながら散策できる天候になった。20分くらい歩くと石鎚神社中宮成就社(じょうじゅしゃ)がある。1300年前、役小角が山頂に登ることが出来ず、一度は諦め、ここで斧を針にするとひたすら研ぐ白髪の老人に会い、感銘を受け、再び行を続け、開山したという場所。「吾が願い成就せり」の故事にならい、今も参拝者の祈りのお社として、広く崇拝を得ている。昔はここで心を込めて登山の安全を祈ったものだが、今や老後の無事と、家内安全を祈るのみになった。
 バス旅行の往きに宮島に寄ったが、残念な事に彼の有名な赤い大鳥居は修復中ですっぽりカバーが掛けられていた。
それでも日本人も外国人も沢山の観光客がおとずれ、土産物と食事処の通りは連れを見失うぐらいにぎわっていた。帰路に福山から鞆の浦をまわった。夕暮れ近くとあってか、5-6年前に訪れた時より古い趣のある街並みがコーヒー店や小物店に改装されていてる所があり、かえって全体に暗く感じた。ガイドさんの説明によると宮崎駿が「崖の上のポニョ」の構想を練った所でもあるが、ただ残念なのは「ポニョ」が金魚であったこと、出来るならこの自慢の海の呼び物である桜鯛祭りの小桜鯛にしてくれればよかったのにと。
 旅を共にした4人の老婦人にとって、無事懐かしのルートを終えることが出来たのは、霊験あらたかな石鎚山御祭神のおかげと感謝し、この先、人生は長くとも足腰と口達者を保証してくださるよう、さらにお願いしたい。

2019年12月4日    
上村サト子    


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