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高齢者住宅に入居して2年経ちました

 高齢者住宅に入居してから丸2年になりました。今までこの施設のことを良いところばかり宣伝してまるで天国にいるような気分でしたが、本当に満足して、いいと思っていることは間違いないのですが、実はすべてが満足というわけではありません。
将来このような施設を利用しようかと思っておられる方もあるかもしれませんので、私がこの2年の間に体験したことを、少し書いてみたいと思います。
まず時間にしばられるということです。決められた時間に食堂へ行かねばなりません。ちょっと居眠りしていて目が覚めると「あっ食事の時間?」と思わずドキッとします。真夜中にサッカーの試合があって見たいと思っても翌朝の食事に間に合うように起きられるかと心配でつい見ずに寝てしまいます。前もって欠食の連絡をしておけばいいのですが、連絡の期限があります。
人間の自由の中で管理されない自由があると思いますが、ここに入居するということは管理して頂くためでもあるのですから矛盾しているのですが、やはり管理されたくないという気持ちは残ります。私は難聴なのでノックして返事がないとすぐ鍵を開けて入ってこられます。びっくりして飛び上がることがあります。一般に暮らしていれば、好きな時間に起きて、寝て、好きなことも自由にできるのに。何しろほかの人の部屋がすぐ近いので大
きな音は厳禁です。夜中にウロウロもできません。
次に入居する前から案じていたことですが人間関係です。大勢の人の全部が自分に合うわけがありません。私は、こんな人が我慢できないというほど強いこだわりは持っていないつもりですが、やはり合わない人はあります。いつも同じ人たちと同じテーブルに着くのですが、これが合わない人だったら困りますね。施設の人に頼んで場所を変えてもらう人もあります。その点ご夫婦で入られている方は夫婦単位で何でもできるのでいいと思います。
この2年間、入居者の方々を見ていて思うのは、ご夫婦で入居されていて、お互いに助け合いながら生活しておられるのは、いいなあということです。私には叶わぬことですが。

2018年11月29日    
記 牧戸 富美子