会員だより目次へ戻る(その 2/4)次へ(その 4/4)


江戸・明治・大正・昭和の
セレブの文化を巡って
(その 3/4)
その三東京都庭園美術館―もと朝香宮邸ー

東京都立庭園美術館旧朝香宮邸
 白金台と聞くだけでセレブの地名のイメージがある。
その中にある東京都庭園美術館の白い外観は良く見かけるシンプルな建物だが内部に入ると内装・置物・彫刻・カーテンなど全て美術品に囲まれているような贅沢な雰囲気に入り込む。
建物は1910〜30年代にかけてフランスを中心に流行した、直線と立体の構成と幾何学模様が特徴と言われるアール・デコ様式を存分に取り入れるため、著名な西洋デザイナーが起用され、さらに宮廷建築を担っていた宮内省内匠寮(たくみりょう)が設計した和風様式も併用して、ユニークな建物が昭和8年に出来上がった。外には広い芝庭、西洋庭園、日本庭園と茶室が取り囲んでいる。
旧朝香宮邸バラ園の見える窓
海の景色がお好きだったご夫妻の希望の壁飾り
 この建物のもとの名前が朝香宮邸と言い、戦前セレブご一家の代表的存在であっただろう。明治39年、久邇宮朝彦親王の第八王子鳩彦王と明治天皇第八皇女允子内親王の結婚に際し、朝香宮家が創設された。新婚旅行はパリを中心にヨーロッパ2年半滞在、さらに陸軍大学院を経てフランスに留学中の交通事故で2年余り現地で治療された。その間、宮妃と見聞を広めた文化と交友関係や理解などを宮邸建築に十分に取り入れていると当時ほめたたえられた。この一族も戦後のGHQの戦後解体指導により皇籍を離脱し邸宅を離れた。その後熱海でゴルフ三昧の生活があり東京ゴルフ名誉会長を務めた。沓掛の別荘は軽井沢御用邸と称され、現在千ヶ滝プリンスホテルになっているというからセレブ生活は続いたのであろう。
 おかげで庶民も芸術作品の鑑賞の機会に恵まれたわけだ。

2018年4月28日    
上村 サト子    

動画もお楽しみ下さい。
ここをクリッキして下さい。
このページの先頭へ戻る