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江戸・明治・大正・昭和の
セレブの文化を巡って
(その 1/4)
東京赤坂迎賓館

 私の明治維新150周年事業見学東京版は東京迎賓館から始まった。
前日、同じ事業で京都迎賓館を見学し、翌朝の新幹線に乗って、赤坂に11時に着いたのだから、我ながら物好きとしか言わざるを得ない。
連絡を取ると、当日客が少ないからと言われ、ネット予約の12時を早めてもらえた。それでも長蛇の列である。

東京赤坂迎賓館本館
東京赤坂迎賓館はかって紀州徳川家の江戸中屋敷があった場所に、10年の歳月をかけて明治42年(1909年)に東宮御所(皇太子の居所)として建設された。
 明治の建築学を現東京大学で教鞭をとっていたジョサイヤ・コンドルの愛弟子の片山東熊(かたやまとうくま)の総指揮の下に、当時の一流建築家や美術工芸家などが総力挙げて建築した西洋風宮殿建築です。
戦前、昭和天皇や今上陛下が一時期住まわれたとか、戦後、国に移管され、国会や行政機関に使用されていた。戦後数十年経って、外国の賓客を接遇することが多くなって、その施設性が高まり、ここ赤坂離宮が決まった。その後5年余り、108億円の経費をかけて改修され、昭和49年(1974年)東京赤坂迎賓館が完成した。
 開館以来、どれだけの世界各国の国王、大統領、首相などの国・公賓がこの迎賓館に宿泊し、歓迎行事、首脳会議、晩餐会など華々しい外交活動の舞台となったことか。
一番最近ではベトナムの国家主席御夫妻が宿舎とされ、天皇・皇后両陛下がお別れの挨拶をされたニュースが出ていた。国・公賓は正面玄関から入り、イタリア産の大理石、宮城県産の玄昌石、フランス産の・・・と世界から集められた名石・名品に囲まれ、赤い絨毯が敷かれた階段を上がって行かれるのである。私たちはロープが掛かっているので、離れた所で見ることが出来た。今回主席夫妻がお泊りの間は、多分一般見学者は受け付けられなかっただろうから、私は無事見学が出来てラッキーであった。
東京赤坂迎賓館主庭の噴水
ただ、こちらは京都迎賓館と違い、一切写真撮影は禁止だったので、内部をお伝え出来ず、残念だ。日本に居ながら、ヨーロッパのお城に居るような感覚になった。広さには劣るが、ベルサイユ宮殿やサンクトぺテルブルグ城に負けないような豪華絢爛さを味わえる建物である。平成21年、創建当時の建造物である迎賓館赤坂離宮の本館、正門、主庭噴水池などが明治維新以降の建造物としては初めて国宝に指定された。江戸時代終わり頃より明治にかけて、西洋文化にあこがれ、急速に知識・技術を広め、取り入れた日本人の柔軟性にあらためて感心、感激をした。今回和風別館に廻れなかったが、そちらもさぞかし技術の粋を集めたものだろうと察しが付く。

2018年4月27日    
上村 サト子    

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