会員だより目次へ前回の便り次の便り

近頃笑ったこと


  あけましておめでとうございます。

 なにかうれしいことは、ないものかと思っていたところ、友人が面白い本をみせてくれました。
「シルバー川柳」というので表題は「誕生日ローソク吹いて立ちくらみ」という句です。
前にどこかで読んだ記憶がありましたが、そのときも今も思わず吹き出してしまいました。老人にしか判らない実感かもしれませんが、最初に目についたのは「紙とペン探してる間に句を忘れ」
私もベットの中でとても良いフレーズを思いついて忘れないように一生懸命覚えていたのに朝になると思い出せない。なんてことがよくあります。

「目覚ましのベルはまだかと起きて待つ」
「探しものやっと探して置き忘れ」
「立ち上がり用事忘れてまた座る」
身につまされることばかり。

また
「延命は不要と書いて医者通い」
「目には蚊を耳には蝉を飼っている」
「恋かなと思っていたら不整脈」心身の衰えと自嘲。「へそくりの場所を忘れて妻に聞き」「デジカメはどんな亀かと祖母が訊く」「『こないだ』と五十年前の話する」さもありなん。
一番笑ったのは 「なあお前はいてるパンツ俺のだが」どんな奥様で、その時どんな対応をされたのか想像しただけで面白くて涙が出ました。
どの句も乾いた悲哀のなかにユーモアがあふれて楽しく近頃珍しく大笑いしたことでした。
 出版社は 株式会社 ポプラ社

2018年1月1日    
記 牧戸 富美子