私の「すみか」探しと転居騒動記
その1/2
エレベーターのないマンションで3階までの階段の昇り降りが苦痛になってきました。
今は昇り降りが出来ないことは無いのですが、これからよくなることは考えにくいので、思い切って高齢者住宅に入ることにしました。
弟妹たちに「自分が元気なうちに、自分の気に入るところを探して決めた方がいい」という助言もあって施設探しから始めました。
いろんなパンフレットの中から、私の希望の第一条件は交通が便利なこと、弟妹たちの近くであること。 ある程度の広さがほしい。足に自信がないのに、出かけることが好きな私は、今までの住所が大変交通の便利な場所だったので、それが第一でした。
それから高齢者住宅といってもあまり「老人、老人」でないところが望みでした。
今、高齢者向けの施設はたくさんあります。4.5ヶ所見学し、大抵のところは体験入居が出来るので、2か所体験入居しました。
見学した中では、食堂でみなさんに挨拶しても誰も返事をしてくれない(関心がない)とか、部屋にお風呂がないとか、狭すぎるとか、交通の便がよくても二の足を踏んでしまうことが多かったのです。
その中で私がいいと思ったのは、体験入居したとき、施設の人が今、「お茶の時間ですが行って見ますか」と声をかけてくださったので行ってみました。
広い部屋にテーブルがたくさんあって20人くらいの人がコーヒーや紅茶などを飲みながら楽しそうに談笑しておられました。 老人会の集まりのようでした。
私は一遍で気に入ってしまいました。ただ難を言えば部屋が狭いことです。
25平方メートル以上と言うのが決まりだそうで、費用を考えなければもっと広いところはあるでしょうけど、年金暮らしの私には及びもつきません。
第3の条件は、涙をのみました。
お話を伺うと月に10回ほどレクレーションと言う名で行事があります。3日に1回くらいあることになります。 その月には、カラオケ、歌留多取り、フラワーアレンジメント、などが目に付きました。古い老人施設という私の偏見は払拭されました。ここに決めようと思いました。
そうして7月、種々の手続きを経て入居することが出来ました。
しかしそれまでの始末は、今思い返してもゾッとするほど大変でした。
30数年間、溜め込んだもろもろのものが、3DKの部屋に呆れるほどあるのです。 初めは私もそれほどのことはないと、高をくくっていました。
整理しだしてみると、出るわ出るわ切りのないほどいろんなものが出てくるのです。自分では「終活」と称して身の回りのものをボツボツ整理していたつもりなのですが、そんなこと九牛の一毛とでもいうものでした。 何しろ25平方メートルですから、入るものは僅かです。
これをどうしょうか悩んでいると、見かねたVG槻輪の会の会長さんが会員のかたに声をかけてくださり、5.6名の方が、3日も4日も暑い中をお手伝いしてくださいました。 お手伝いなんていうものじゃなく、私は見ているだけで、凄い量のものを片付けてくださいました。 そのお助けがなかったら、私は今、こうしてのんびりと暮らしている訳にはいかなかったと思います。 ほんとに一生忘れないと思います。 感謝で一杯です。 ありがとうございました。
2016-8-23 記 牧戸 富美子
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