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近くの旅姫路に新発見
(その1/2)
"関西の食の味は薄口醤油で育まれる"



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 東京から来る長女一家との恒例の夏旅行が出遅れてままならず、東西双方からネットで探しまくった。結果的に近場が見つかり、改めてネットの便利さに感謝した。行先は姫路方面である。まずはJR姫路から姫新線に乗り換えて、本竜野に行った。「ヒガシマル薄口醤油」、「赤とんぼの街」とも「碑(いしぶみ)の街」とも称される所である。早朝に高槻を出て、工場に着いたのが9時半、案内役の社員さんが早く自社製品の良さを伝えたいかのように、今か今かと待ち構えてくださっていた。瀬戸内海の塩と播州平野の大豆と小麦と米から作った甘酒、すべて地元の農家とともに育てた材料と揖保川の伏流水を合わせて作ったご自慢の醤油だそうだ。孫が夏休みの宿題にすると言ったのが良かったかな。自社製品愛、郷土愛たっぷりの社員さんに感謝して、工場からヒガシマル醤油資料館に回った。パンフレット代10円、入場料無料で、これまた昔かたぎな醤油屋さんだ。すっかり関東人になった娘の台所に薄口醤油がないのが、私にとって不満だったが、これから常備すると言う。
 「赤とんぼの歌」はどなたも口ずさんだ事のある童謡である。その作詞をしたのがこの街出身、明治22年生まれの三木露風である。33才の時、北海道トラピスト台地で望郷の念と7歳で離別した母への恋うる思いをよんだ詩と言われている。露風の赤とんぼの歌詞の碑をはじめ、文教に優れた城下町であったか、「嗚呼玉杯に花うけて・・・」を作詞した矢野勘治もこの地の出身。他にも優れた文人多く、江戸時代に訪れた井原西鶴や有名な俳人などの詩歌・俳句碑が街中、あちこちに見かけられるのが「碑の街」と言われる由縁である。姫路市内に戻り、市中のホテルに泊まる。

2016年9月6日    
上村 サト子    


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