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熊野古道中辺路小雲越え(その二)
「修験道をちょっと味わって」



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 宿泊地のマンモスホテル"浦島"から専用船で勝浦の本土に戻ってくる。
昨日の勝浦から北へ熊野那智大社、青岸渡寺に向かう約2.5`のコースは修験者が吉野に詣でる修験道でもある。
今日は続きの熊野本宮大社の手前12Kmのやはり修験道小雲越え(こぐもごえ)のコースである。その名は山の上より小さい雲がすくえると言われるくらい、峠が高く、難所らしい。
歩き始めは熊野川の支流の赤木川を渡る小和瀬の渡し場跡からである。今は静かな川面を見せているが、昔は時に荒れて難儀な場所だったそうだ。橋を渡り、民家の横の石段を登って、山道をひたすら登り続ける。
到着した桜茶屋跡からの眺めは素晴らしかった。まさに吉野三千峯が目の前に現れる。
対岸に見える尾根の中の高い峯は修験者が修行する一つだとか。今日の女性の語り部は那智大社副住職と吉野へのこの道を共にした事があり、それはそれは速足で、無駄なく、祈り三昧のものであったと話される。
登りはさらに続く。途中いきなり小石で築かれた「賽の河原地蔵」があらわれた。私も帰りまでの無事を祈って、さらに小石を一つ積み上げた。
"散華、散華・・・""六根清浄、六根清浄・・・"と掛け声をすると不思議なことにきつい登りの息切れも整ってくる。
またや急に視界が開けて、こちらにも吉野三千峯がひらけ、百間ぐら地蔵が見守っている。"ぐら"とは高い崖の意で、眼下に"グラッ"とくる崖っぷちが見える。
万才(ばんざ)峠から松畑茶屋跡から請川のバス停の立て札がみえると、私たちのバスも待っていてほっとした。
今日も無事歩いた。
これぞ熊野権現のご利益。
バンザ〜イ!

2016年1月20日    
上村 サト子    

動画もお楽しみ下さい。ここをクリッキして下さい。

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