新名神高速道路の高槻北部・原地区の工事現場の見学会に参加してきました。
高槻のJCTとICが日吉台・成合で殆ど出来あがっているらしいのですが、原地区はまさに只今進行中。
今年5月の原の街歩きの時、原大橋のバス停から頭上に見えた長い廊下のような所です。バス停から北に向けて約100mに工事現場の入口があり、さらに広い坂道を200m程上ると建設事務所がありました。
この日は日曜日で工事はなく静かで、目の前の丘には3頭の鹿がこちらの様子をシカと見ているようでした。
工事のある日は姿を表さないそうです。目の前の切り開かれた斜面の土手は草の根っこだけが見えていましたが、鹿が草をすっかり食べてしまったと話されていました。
工事の概要説明の後、いよいよ茨木北部に抜けるトンネルを案内してもらいました。入口の上部に牛の角のように反った樹の幹が備え付けられています。トンネルの安全無事故を山の女神に祈願して化粧木(けしょうぎ)が祀られています。
山の神はどうして女神なのかちょっと疑問が残りますが・・・。
内部のドームの部分はコンクリート壁で、足元はまだ砂利石、天井には空気坑の太いチューブが張り巡らされています。トンネル工事の工程は
@ツメのあるパワーシャベルが岩を砕く
A砕いた岩を集める
Bさらに小さく砕く
C外に運び出す
D茨木側からも掘り進め、いつかドッキングするそうです。
その時の貫通石は努力の賜物ということで、安産や合格祈願のお守りになるらしいです。
トンネルをでて、外部から廊下のように見えていた部分に案内されました。それは橋梁部(長大橋)の自動車道の下部に当たる所です。通常長い橋は橋柱にワイヤー吊りされますが、今回は世界でも初めてのバタフライウェブ箱桁橋形式が採用されたそうです。それは工場で製造されたバタフライ形コンクリート板を現場で繋ぎ合せ、六角の窓のある部屋になった内側にワイヤーが張られて、これが上部の自動車道を支えているのです。
建設コストの軽減と景観の向上、重力低減による施工の省力化にも役立つとか。
原から神戸への高速道路開通は平成30年度、新名神の全線開通は平成35年度の予定で、それまで元気に生活出来ていれば、橋の上から原を見降ろせるかもしれません。
想像も出来ない高度の技術と関係者の熱意のある工事現場を見せてもらいました。
この人達こそノーベル賞でなくとも、しかるべき賞をあげてほしいとの感想を持ちました。
只々工事関係者の安全こそ山の神様によって守られることを祈るのみです。
2015年10月17日
上村 サト子
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