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熊野参詣道中辺路第5回
"古来日本人は温泉が好き"



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 今年は典型的な梅雨模様。
7月8日出発時、晴れてきそうな様子でシメシメと思いきや、田辺に近づくにつれ、まさに暗雲垂れこめて来て、ほぼ中辺路コースの中央辺りのスタート地点で全く雨になる。
前回ゴールした発心門(ほっしんもん)王子、猪鼻(いのはな)王子、船玉大社を再度お参りし、赤木越え起点まで約40分遡り、三越峠で準備体操の後みんな雨の中、意欲満々で歩きだす。
今日のコースは"水転びの道"と呼ばれるらしく、この三越峠を越えて、湯峯温泉まで水場と離れ、リタイアする所がないからと注意を受ける。
最初の遡りコースが前回下りで楽々だったのに、今回反対で、足取りの重くなったメンバーがいた。若い女性の語り部のリードと機転のきいた会話で、7kのアップダウンの激しいコースを全員安全にクリアし、日本最古という湯峰温泉に着いた時はつぼ湯や足湯の看板につられ、遂、足を踏み入れたくなった。
古人の熊野詣での時、本道から分かれた赤木越えが好まれたのは解る気がした。多分貴族・皇族など身分の高い参詣者は禊と称して、温泉で疲れた体を癒して、熊野本宮に向ったのであろう。
残念だったのは早くつけば、川原で温泉玉子を自分で作って下さいと言われていたが予定より遅くなり、温泉玉子の思い出は出来なかった。
今回雨の中ゆえ見る事が出来た霧中の幻想的な杉檜林、一遍上人にまつわる鍋割地蔵や献上茶屋跡、昭和50年代まで住んでいた柿原茶屋跡、最後の胸突き八丁の坂道を登り、今日の無事を感謝した湯峯王子社の各スポットを良い思い出にしよう。
2015年7月10日    
上村 サト子    

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