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紅葉の赤は日本の文化を育む
その3/4
圓光寺



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 さらにのんびりした住宅地の道を15分程進む。最近NHKで紹介があったと、行きかう観光客が口にしている。山門を入って石で不等辺四角形に囲まれた芝生に沿って進むと、なんと地上に空か海か不思議な世界が目の前に広がる。白砂と石で、天空を自在に奔る龍を表した枯山水「奔龍庭」が広がる。中門を抜けると「十牛(とうぎゅう)の庭」と呼ばれる苔と紅葉と重量感のある岩が配色・配置良く造られた庭園がある。その中に可愛い仏様が紅葉を浴び、さらに円満なお顔をして、鎮座しておられる。中央には洛北で最も古いと言われる「栖龍池」があり、黒い水面に紅葉が吸い込まれていく。本堂の前には手水鉢と水琴窟があり、心を静めれば妙音が聞こえてくる。圓光寺は徳川家康の命により、国内教学の政策で建立され僧俗を問わず入学を許された。徳川家康を祀る記念碑が裏山にある。その奥には金福寺の寺伝で知った、徳川時代の崩壊につながった村山たか女の墓もあるのは皮肉な取り合せになったものだ。この裏山から京都の町並みから愛宕山まで一望できる。この観光客の多い中で14−5人が昼食を取るとなると見つからない。コースをはずれて住宅地の中の公園まで行くとまたまた紅葉した楓・もみじ・桜などに囲まれて小春日和の中、眠くなってくる。
2014年12月16日    
上村 サト子    

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