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紅葉の赤は日本の文化を育む
その1/4
一乗寺〜金福寺〜西本願寺北山別院



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 叡山電鉄の一乗寺駅で降りて歩きだす。この行楽シーズンなのに一輌車で満員・無人駅、前から降りて切符は運転手に渡して下さいと車内放送がある。結局運転手が車外に出て、走りまわって切符を回収する。なんか微笑ましい。
 平安中期、天台宗の一乗寺という寺があったが、南北朝の動乱期後廃絶、地名だけ残った。
 近くに古くから旅人の目印となった"下り松"があったが、その四代目が昨春枯死して、今回見れず、残念であった。今5代目を育成中とか。江戸初期剣豪・宮本武蔵が吉岡剣法一門数十人と決闘したとされる所である。
 さらに歩いて5分、金福寺(こんぷくじ)に着く。平安初期より創建・再興、芭蕉が旅の途中逗留した庵が芭蕉庵と名付けられたにもかかわらず、荒廃していたのを見かねて、後年、与謝野蕪村が再興した。また「安政の大獄」に加担したとされる村山たか女が大老暗殺事件後、勤王志士に捕えられ、三条の河原に晒されたが、三日後助け出された後、尼として14年間この寺を守り、67歳で生涯を閉じた。その奔放な生涯は舟橋聖一が「花の生涯」に書いていると云うので読んでみよう。
紅葉の最高の見頃といい、雨で2日延ばした甲斐あって快晴。11月下旬と思えぬくらいの小春日和。
すぐ隣の親鸞が修業したという西本願寺北山別院から愛宕山まで京都の全景を見て、詩仙堂に向う。
2014年12月16日    
上村 サト子    

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