5月末、塚脇の田んぼの中を散歩していたら、こんな光景に出くわしました。稲の苗床育成ネットの中にゴイサギが入りこんで、出られなくなっていました。入ったのは囲いの上にとまって、自分の重みでネットが破れ、中に落ち込んだと思われます。頭は流線型で胴はズングリムックリ、背中は黒っぽく足は赤茶色、頭の後ろに2−3本の流れるような羽根を持っています。芥川に白いコサギ、グレーのアオサギ、数種類のカモ類、黒い川鵜、季節によって都鳥はいますが、ゴイサギは殆ど見かけません。単独で行動することが多いらしい。このゴイサギはしきりとネットをつついていますが、しっかりと泥で押さえられていてどうにもなりません。まさに籠の鳥です。多分田んぼの持ち主に自由の身にしてもらったのでしょうか翌日見かけませんでしたので。このゴイサギを漢字で書けば"五位鷺"と書きます。醍醐天皇がある宴の折、池にいるこの鳥を従者に捕えるよう命じた処、従順に捕獲されたので、五位の位を与えたと云う。
ちなみに歴史上、位が与えられたのは、将軍徳川吉宗にベトナムから献上された"象"である。長崎から江戸に上る際、京都で天皇にお見せするのに位がなくては、困るとなり、従四位の位を与えられたと言う。江戸に着くと吉宗は大層喜んで、今の浜離宮あたりに象の小屋を建て、しばらく飼っていたが、倹約・節約政策をとっていた為、えさ代に困って、農家に譲った。なにしろ毎日米8升、饅頭100個、ミカン100個、藁120kg、笹の葉90kg、草120kg、芭蕉の葉2本とは・・・。象は見世物として扱われたが、間もなく死んだらしい。象も農家も悲しい結末であった。
和歌山貴志駅の"たま駅長"は幸せな猫人生を歩んでもらいたいもの。犬では"忠犬八公"だろうか。銅像が出来た程だから。とにかく時の権力者は有難き位なれど、簡単に与えてもらっては、庶民も動物も困る事があることを知ってほしいものだ。
2014年6月4日
記 上村 サト子
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