毎年三月になると春の訪れを告げるニュースが新聞やテレビを賑わす。まずは雛人形のニュースである。全国各地で街おこしとして、各家に古きより伝わる立派なお雛様を軒並み、通行客に見えるよう飾っている様子が報じられる。お寺や博物館に集めて飾っている所もある。人形も晴れがましいだろう。知人に娘が嫁いで何年も飾っていないからと相談をうけ、ある保育所に声をかけたら、早速引き取って、飾ってくれた。7段の立派な雛人形である。幼児が悪戯するかと思いきや、全く理解して雰囲気を楽しんでいたそうな。我が家はある寺で売り出している竹の雛を真似て折り紙雛を作った。
次に報道されるのが明石沖のイカナゴ漁解禁ニュースである。私も含め近辺の知人はせっせとイカナゴ釘煮を作って親戚や友人に送る。郵便局も勝手知ったもので3cm以内のユーパックをぐいと押さえて、3cm枠を通るよう協力してくれる。先日新聞のエッセー投稿に72歳の女性が骨折してこの作業に入れず、用意した調味料やパックを前にして涙して嘆いていると。毎年50キロほど煮て、近所友人に送るというから上には上があると驚いた。今や関西の風物詩か絵葉書のようなものになった。
3月になると我が家の庭の馬酔木の花に来ていためじろが今年は来ていない。いつも姫こぶしが咲きかけたら花びらを食べつくすヒヨドリも来ない。洗濯干場の隅で巣を作る足長蜂もまだ見ていない。厳しい天候だった為だろうか。嬉しかったのは安岡寺の裏の溜め池にカワセミが見られると云うので3日通って、毎回見る事ができた事だ。瑠璃色の羽根はまたとない美しさである。オスが池のブルギルを獲り、木の枝でたたいて弱めてメスに渡すのである。これでカップルが成り立ち、巣作りが始まると毎日来ている写真愛好家が教えてくれた。小学生4−5人が良いカメラをもって仲間入りし、私より良い写真を撮っている。貴重なシャッタ―チャンスなのに私のデジカメではピンボケ、残念至極だった。せめて、かわせみを見られる里山が近くにある事に感謝しようか。その近くにある旧家は門扉や外壁をバックに大胆な造形活花で通行客を楽しませておられる。摂津峡桜公園の桜ニュースも4月第1週末になれば満開と予想される。登り口にあるかじか荘はまだ閉鎖中で庭の桜は主がいなくとも今年も頑張って立派に咲いている。これからまさに春爛漫の候、みんなで出かけましょう。
2014/04/08 記 上村 サト子
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