"琵琶湖一周の旅"
私は昔から旅行が好きでした。乗り物に乗るのが好きで、駅や空港で、何時間も待つのも苦になりませんでした。 最近は足が弱って歩くのは駄目ですが乗り物に乗っている分には何時間でも平気です。 そんな私にうってつけのことを、知人が教えてくれました。 JRに「運賃計算の特例」というのがあって、「実際に乗車する経路にかかわらず最も安くなる経路で乗車することが出来る」というものです。 重複しない限り、乗車経路は自由に選べますが途中下車は出来ません。改札を出ることも出来ません。1日限りです。 近畿では「大阪近郊区間」というのがあってその範囲内で、上の条件を満たせば自由に乗車出来ます。 北は近江塩津、西は播州赤穂、東は米原、柘植辺りでしょうか。琵琶湖一周や奈良から和歌山とずいぶん遠くまで行けます。 しかし特急には乗れませんので時間がかかります。 いろいろな経路が選べるので、時刻表と経路図、またはインターネットを駆使して計画を立てるのが面白いのですが、重複しない(同じ線路を通れない)というのがなかなか難しいのです。 1日、計画を立てて出かけました。まずJR攝津富田から大津まで乗車券を買います。570円。高槻から新快速で琵琶湖線を通らず湖西線を通り近江塩津まで行き下車して、近江塩津発の姫路行き新快速に乗ります。 今度は琵琶湖線で琵琶湖の東側を通り大津で下車します。 大津から摂津富田までまた570円です。 これを判りやすいように京都からと考えると、京都から琵琶湖を一周するのは乗車距離165.7キロメートル、運賃2560円のところを京都から大津の180円で行けるのです。 近江舞子からはだんだん雪が多くなり、近江塩津では40〜50センチメートルくらいもあったでしょうか。 春、秋など季節によっては景色も違い面白いと思います。沿線にいったことのある駅や、歴史にのこる地名なども多く、お弁当やコーヒーなどを持参して、約4時間を楽しく過ごすことが出来ました。 ただ電車にのるだけなのですが、計画を立てる楽しみと、景色を愛で、ちょっとした旅行気分も味わえて私はとても面白かったです。 お暇な方にお勧めです。 2012年2月 記 牧戸 富美子 |