総持寺の節分会(護摩供)
西国霊場三十三番札所、高野山真言宗 準別格本山 総持寺の年中行事として、毎年「節分会」には大阪地区の修験者による「護摩行」が行われています。
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修験者は、別名「山伏」ともいわれ、山の中で仏道修行をする人を指します。
修験者が信仰する宗教が修験道で、山岳崇拝の精神を基とし、厳しい山々で修行し、
困苦を忍び、心身を修練し、悟りを開いて仏果を得るという、出家、在家を問わない菩薩道、
即身即仏を実修する日本古来の宗教です。
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[本堂前の護摩壇] |
[護摩壇に火が入ったところ] |
修験道各派および主な霊峰
今回は京都・聖護院を中心とする天台派の流派の修験者が行いました。
修験道各派および主な霊峰は下記※1.のとおりです。
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修験道
役行者(えんのぎょうじゃ)神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)が修験道の中心で
ある大峰山・葛城山を道場として開いたのが開基としています。
教主:金胎不二の大日如来・釈迦如来・竜樹菩薩
開祖:役行者・弘法大師・理源大師聖宝・智証大師円珍
主な経典:大日経・金剛頂経・理趣教・祝詞・神祇講式など
※2.をお読み下さい。
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[護摩壇に火] |
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火渡り
護摩供(ごまぐ)で組み上げた木の壇に火を焚いて大日如来や不動明王など神々の降臨
を念じ、護摩木に願い事を書いて投げ入れて焚き上げます。
この際の炎と煙が天界に到達することで願いが届くといわれています。
さらに護摩壇の木を並べてその上を歩くのですが、心身ともに願いが通ずる行いでしょう。
※3.
記 成本 忠晴
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[火わたり] |
[火わたり] |
※3. 節分会で「鬼は外」「福は内」といって、豆まきをします。
立春の前日の節分に鬼を払って年越しを願うものといわれています。
自分の心の鬼:地獄、餓鬼(がき)、畜生(ちくしょう)の「三悪道」といって
現世で悪いことをすれば死んだ後に落ちる恐ろしい場所だといわれています。
法華経の「三悪道」は全ての人の心にあり、いかり、求めてやまない欲望、物事に執着心。
知らず知らずに周囲にいやな思いをさせて、自分もいやな思いを後ですることになる。
宮沢賢治は熱心な法華経の信者で、「世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない。」
個人の願いを護摩木にかいて焚くのもよいが、他人の幸福と切り離すわけにはいかないのです。
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[護摩壇の祈祷] |
[護摩壇に着火] |
[火煙] |
※1.
真言宗醍醐派・当山派(京都・醍醐寺)
本山修験宗・本山派(京都・聖護院)
金峯山修験本宗(奈良・金峯山寺)
天台寺門宗(滋賀・園城寺)
羽黒修験(出羽羽黒山)
南都修験(奈良・薬師寺)
日光修験(栃木)・日光・男体山
英彦山修験(福岡・英彦山)
白山修験(北陸・白山)
石槌山(愛媛・石槌山)
立山(北陸・信濃・立山)
木曾御嶽山(信州木曾・御嶽山)
富士山(山梨・静岡)
※2.
ご本尊:金剛蔵王権現・不動明王・竜樹菩薩
金剛界・胎蔵界曼荼羅の諸仏
諸菩薩・諸明王・諸天
日本国中大小神祇(八百万の神)
不動明王:真言宗の教主「大日如来」の使者で、右手に宝剣をもち
左手に縄をもつ大変恐ろしい姿ですが、人々を救済しようとする
やさしい慈悲にみちた明王です。
毘沙門天:仏法を守護する四天王の一人、多聞天の別名
四天王:北方に多聞天(毘沙門天)、南方に増長天、東方に持国天、西方に広目天
と本堂などの四隅に配し、中央にある御本尊を守護するのが主な奉りかたです。
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