VG槻輪会員だより
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「源氏物語に登場する秋の植物」 を受講して

 京都城南宮で上の講演会があり聴きに行きました。講師は京都府立植物園名誉園長の 松谷 茂 先生です。
源氏物語にはたくさんの植物が出てきます。草本類約60種類、木竹類約50種類、です。出てくる回数はマツ、モミジ(紅葉) 約60回、サクラ 約50回、その他、ウメ、フジ、ヤマブキ、ナデシコ、キク、ハス、オミナエシ、タチバナetc.で、専門家の先生からみると紫式部は物凄い感性を持った超天才とのことです。
鋭い観察力があり植物の色、香り、茎、根にいたるまで広い知識を持っていたということです。
私は「源氏物語」はいろんな訳者のものを何回か読みましたが、そんな見方をしたことがないので驚きました。
特に秋の植物としては紫色の花がたくさん出てきます。桔梗(ききょう)、竜胆(りんどう)など。
 講演が終わって城南宮の「源氏物語花の庭」(曲水の宴などが行われるお庭)を先生の説明で見学しました。
この庭は「源氏物語」に出てくる植物が100種類以上植えられています。
その庭を、植物と、物語に出てくる場面とを交えて説明してくださいました。
桔梗、女郎花、藤袴、吾亦紅、くちなし、ほおずきなどが花や実をつけていました。
 物語との関連では、例えば、柏木がはじめて女三宮を見る場面に出る(柏木カシワ)とか、明石の君が京へ出てきて隠れ住む嵐山の場面に出てくる「松」、それも物語には雄松とも雌松とも書いてないが、明石の場では雄松(黒松)だろう、嵐山では雌松(赤松)だろうと思うということで、雄松、雌松の見分け方も教えてくださいました。
 城南宮は平安遷都の際、国土の安泰と、都の守護を願って平安城の南に祀られたお宮で、1200年の歴史があります。方違えのお宮としても有名です。
講演会は会員制で年、2回催されます。
牧戸 富美子     
蓮<ハス> 桔梗<キキョウ> 竜胆<リンドウ> 女郎花<オミナエシ>
藤袴<フジバカマ> 吾亦紅<ワレモコウ> 山梔子<クチナシ> ほおずき<ホオズキ>

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