とけいそう
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“ 薬師寺東塔大修理法要に参加して ”

 6月26日、薬師寺の「国宝」東塔大修理着工法要に行って来ました。
薬師寺は730年藤原京から平城京に移された持統天皇発願の白鳳建築の寺院です。
近年庶民による写経の浄財で金堂や西塔ほか各種の建物が復元され創建当時の威容を現しています。
 東塔は創建当時の姿をとどめていますが古い木材が朽ちたり、白蟻の被害もあり再三修理も重ねてきましたが、老朽化が激しく今回の大修理になったのです。

棟札おろしの儀
 当日(6月26日)は、梅雨の最中にもかかわらず晴天に恵まれ、むしろ真夏のような炎暑でした。
 午前10時半、天理大学雅楽部の方たちによる「振鉾」によって幕を明け、市川団十郎丈の奉納舞、惣礼、唄、散華、棟札おろしの儀、読経、回向文とつづき2時間の行事は終わりました。
管主の山田法胤様の法話の中で「人間とは難しいもので、数日前は雨の心配をしていたのにお天気になると今度は暑くて困ると思う」と。
「人間とは困ったものだ」とはおっしゃいませんでしたが、心に残るお言葉でした。
私は比較的早く行ったので舞台に近い席に着く事ができました。
出席されている僧侶の方たちの荘厳なうちにも華やかな僧衣が極彩色の伽藍にマッチして、しばし天平の昔の行事の場にいるような気分に浸りました。

記:牧戸 富美子


振鉾

棟札おろしの儀

市川団十郎丈の奉納舞

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