“ペルシャ文明展”
煌(きら)めく7000年の至宝(しほう)を鑑賞して
開催場所:大阪歴史博物館 鑑 賞 日:平成19年7月15日(9月17日迄開催) 今から36年前(1971)日本とイランの間で基本協定を結ばれた、国家プロジェクトに参加し、1988年にイラン・イラク戦争で中断するまでの間に約6年間イランに駐在して、ペルシャ文化に非常に親しみを感じるようになりました。 最初にイランに入国したのがイスハハン空港でイランの古都(ペルシャ王国の都)であったこともこれに関心を深めた理由かもしれない。 ペルシャの歴史は、先史時代を含めるとおよそ7000年前にさかのぼります。 紀元前2000年から同1000年ごろに,アーリア系のイラン民族が北方からイラン高原に移動し,紀元前7世紀にメディナ王国を建てたのにはじまる。 7世紀にアラブの征服を受けるまで,イラン文化圏はイラン高原と中央アジアの二つの地域に分かれて歴史を展開させていた。イラン高原においてはアケメネス朝,パルティア,サーサーン朝の諸王朝が興亡し,中央アジアにおいてはホラズム,バクトリア,ソグドの各地方にオアシス都市国家が盛衰を繰り返していた。 紀元前6世紀に興ったアケメネス朝ペルシャは、西はエジプトから東はインド亜大陸に至る広大な領土を支配する「帝国文明」を誇り、当 時の世界最高の水準を誇る建築、美術、工芸品を今に伝えています。 なかでも、金属加工技術の粋を集めた金製品には目をみはるものがあります。 今でも、イランの市内に多くの金ショップが多い。 3世紀に興っ たササン朝ペルシャは、地中海世界と東アジア世界を結ぶユーラシアの東西交渉の拠点となり、その美術は奈良・東大寺正倉院に伝わる切子ガラスや狩猟文皿な ど日本にも大きな影響を与えました。 この説明文はペルシャ文明展のHPより引用しました。 |
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今回の展示は、50年ぶりの大公開とのことで、東京、福岡、大阪、名古屋にて開催されます。 世界最古の「帝国文明」とされるペルシャ文明の多種多様な遺品をはじめ、ユネスコ世界遺産・ペルセポリスから出土した彫像などイラン国立博物館の所蔵品を中心とする名品200余点により、東西交流の拠点であったペルシャの美と歴史のひろがりをご紹介します。 特に6階の特別展示場は黄金の間に入った感が致します。 |
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大阪歴史博物館入門前 |
無頸壺 |
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→ 有翼ライオンの黄金のリュトン 前550-前330年 今回の展示の目玉です。 リュトン(角杯)先端部が、アケメネス朝に典型的なモチーフである「有翼ライオン」の上半身で表されている。 特に眼の下に表現された涙形の皺は、アケメネス朝のライオン図像の特徴で、ライオンはアケメネス朝王家の紋章的な存在であったと考えられている。 本作品のように胴部が屈曲したリュトンはアケメネス朝に多く、後のパルティア期にはより細長く、ゆるやかなものになる。上部には東地中海域の影響と考えられるロータス(睡蓮)文が連続して表されている。 アケメネス朝の工芸品を代表する逸品。 |
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↑ 無頸壺 前5千年紀前半 紀元前5,500年頃の作品とのこと。 イラン高原の新石器時代に特徴的な彩文土器。赤い地に黒色顔料で幾何文、動物文が描かれている。横一列に連なる動物意匠はかなり様式化されているが、角を強調したその表現から、当時もっとも身近にいた家畜動物の羊あるいは山羊と思われると。 大理石で作られた容器も展示されています。 直径が1mΦ近くある容器もあり、本当に文化の高さに驚きです。 記 S.O |
有翼ライオンの黄金のリュトン |
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←黄金の杯 前550-前330年 くびれのある金製杯で、重さ1,400gもある黄金の杯。 くびれ部には楔(くさび)形文字の銘文、くびれより下部には菊花状の花弁文様が施されている。底部中央には持ちやすいよう に指を入れる窪みがある。銘文は古代ペルシャ語、アッカド語(バビロニア語)、エラム語の3種で記されており、「クセルクセス 偉大な王」と読むことができる。 アケメネス朝は、言語や宗教を統一するのではなく、各民族の生活習慣を尊重統治していった。 |
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黄金の杯 |
イラン人の店員が販売する記念品 |