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★文塚(ふみづか)
伊勢寺から、ゆるやかな坂を下っていくと、文塚があります。 平安中期の歌人・能因法師(のういんほうし)の吟稿(ぎんこう=和歌の原稿) を埋めたところと伝えられています。
「わが宿の 梢(こずえ)の夏になるときは 生駒の山ぞ見えずなりける」
とありました。
はるか南に生駒の山並が望めたという歌ですが、南を見ても今は家が見えるばかりでした。
能因が私の書いた物はたいしたものでないので埋めてほしいと遺言をしたという。
しかし、村の人に好かれていた能因だから、このような文塚が村人たちによってつくられたのだという。
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