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★★★黄  山★★★

 黄山は、中国・華中地方、安徽省の南部に聳える奇峰群で、最高峰、蓮花峰をはじめ、天都峰 光明頂の三峰を主峰とした大小70以上の峰からなる大きな山塊です。全体が急峻な岩山で、そして岩肌に散在する松が作り出す独特の山水画的景観です。
 名は、上古の帝王・黄帝が仙薬を練って修行したという伝説に由来し、唐代に黄山と命名されたと言います。
 その景勝は、奇松、怪石、雲海、温泉の「四絶」と称えられています。
 1990年12月に世界文化及び自然遺産に登録されました。
 30年かけて中国の山河を遊歴した明代の地理学者徐霞客は、「五岳に登ったら他の山など目に入らない。しかし、黄山に登ったらその五岳すら目に入らない。」と称えたと言います。
【始信峰】
 始信峰の標高は、1,668m。山麓の雲谷寺と始信峰とを結ぶ全長2,808mの雲谷ロープウェイで約8分、白鵝嶺駅で下車。そこから徒歩で7Kmほど、石段を登ります。
 峨々として聳え立つ岩山、雲海に浮かぶ遥かな峰々、正に水墨山水画の世界です。
 始信峰は、黄山の中でも、最も詩情画意に富む景観が望めるところとして知られています。
 【石筍峰】
 始信峰からの景観の一つ。左に上昇峰、右に石筍峰が聳え、奇峰、奇松の景観が実に素晴らしい。
 この景色を眺めながら、文人たちが酒を酌み交わしたとこ ろとして有名です。
 【千丈の断崖】
 同じく始信峰からの景観の一つです。
 目もくらむような千丈の断崖に思わず息を呑みます。そんなところにも、見事な黄山松が凛として枝を伸ばしています。
 【飛来石】
 高さ12mの奇石。
 まるで空から飛んできたかのように在ることからこの名が付いたと言います。何とも不思議な造形です。
 【清涼台からの景観】
 清涼台は、獅子峰の中腹にあり、標高1,690m。黄山の山々にかかる雲海と日の出を望むところとして有名です。
 【光明頂】
 光明頂からの眺めです。眼前には雲煙に見え隠れする高峰。
 光明頂は、黄山第二の高峰で、標高1,840mあります。
 ここも、日の出と雲海の名所として知られています。1,995年に築かれた気象台があります。
【雲煙に浮かぶ】
 霧が立ちこめ何も見えなかった空間に、突如として屹立する岩山が浮かびます。はっと息を呑む間もなく、また雲煙に掻き消されていきます。
 動かぬ峰々が刻々と変貌し、様々な姿を見せてくれる神秘な世界です。