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★★★西 湖★★★

 浙江省の省都、杭州市の西側に広がる、東西3.3Km、南北2.8Km、周囲15Kmの湖。
 春秋時代の絶世の美女、西施に喩えて名付けられたと言います。
 朝夕、雨天晴天、春夏秋冬、いつ訪れても美しいと称えられています。
 西湖の名所は、「西湖十景」に代表され、それぞれの景色に名が付けられています。
 【蘇 堤】 もともと10平方キロメートルあった西湖ですが、北宋の有名な政治家であり、詩人である蘇東坡が杭州で太守、日本の知事に当たる官僚に就任した時、湖が浅いため、杭州の庶民がよく湖の周りに菱、蓮とさまざまな植物を植えて、湖の面積がだんだんと小さくなっていきました。
 そこで、彼は湖をきれいにするために、湖の下の土で、湖の南から北まで長さ2.8キロ、この真っ直ぐな橋を築きました。これは後に蘇堤と呼ばれるようになりました。
 蘇堤の両側には、桃の花と柳の木が一本ずつ植えられております。
 春になると、桃の花は満開、ピンクになって、柳の木は黄緑になります。
 これがいわゆる西湖十景の中の一つ【蘇堤春曉】です。誰もがこの春の蘇堤の風景に魅了されます。
 【三潭印月】 湖の中には人工の島が三つあります。小瀛洲またの名を三譚印月島と言いますが、これは1607年湖底の土で造られたものです。
   面積約7万u、その半分が池のようになっていて、湖に島があり、島に湖があるという何とも不思議な景色になっています。
 当時、蘇東坡は、湖を守るために、石塔を3本築いて、その中では何も植えてはいけません、という目印にしました。これがなければ、現在の西湖はなかったかもしれませんね。
 小瀛洲を築いた後、その島の南側に蘇東坡の石塔をまねて、三つの石塔が建てられました。球形の塔には5つの小さなまるい穴があけられています。
 中秋の名月の夜に3つの塔の中に火を点して、外側に白い紙を貼ると、小さな月のような光が湖面に映ります。
 月が昇ればその輝きが、塔の光と湖に映りあって非常に魅了的な風景になります。
 【白 堤】 また蘇東坡よりさらに昔、唐代には、白楽天が杭州で太守をし、杭州の庶民のためにたくさんよい事を行ったので、後に彼を記念して、孤山から北山街までの長さ1キロの橋を白堤と言うようになりました。
 【楊公堤 】 楊公堤は蘇堤、白堤とならんで西湖三堤と言われています。
   約500年前、中国明の時代に楊孟瑛と言う官僚が、今の杭州市長に相当する杭州知事になり、西湖を疏浚するために、人々を集めて、西湖の泥で、北の仁寿山、馬嶺山、南の赤山埠まで、全長3.4キロの長い道を作りました。
 道には6本の橋が建てられました。蘇堤の6本の橋と区別するため中六橋と言います。
 後の人々は楊孟瑛を記念して、この道を楊公堤と言いました。しかし、実物は残されておらず、名前だけが昔の文献に残っていました。
 2000年まで西山路と言う名前で呼ばれていました。しかし、21世紀になって、政府は新西湖を作るため、西湖の西側の拡張を決めました。
 この部分の主な観光地として、明代のにぎやかであった楊公堤を再建することを始めました。
 2000年10月1日から、数年、杭州政府と市民たちがたくさんの労力とお金で、この楊公堤を再びこの世に登場させました。そうして今の楊公堤風景区ができたのです。
 新しい楊公堤には、昔の西湖十景に数えられる曲院風荷と花港観魚文化のほかに、金沙港村、杭州花圃、茅家埠、烏竜潭などの観光地もできました。
 また有名人の故居、お墓なども次々に修復されました。昔のような6本の橋、中六橋も作り直して、道の名前も、西山路から楊公堤に戻しました。
 現代的な西湖の東側とは対象的に、緑と歴史情緒あふれる景観を作り出しています。