”始皇帝と彩色兵馬俑展 ”
S.O
日時:平成18年12月01日(金) 場所:京都文化博物館 京都府京都文化博物館の別館は、明治39年(1906)に竣工した日本銀行京都支店の建物で、レンガ造りの落ち着いた建物で好きです。 残り少なくなった、”驚異の地下帝国 始皇帝と彩色兵馬俑展−司馬遷『史記』の世界”に昼前から閉館まで鑑賞して来ました。 1999年に発掘された彩色の兵馬俑を本展で初公開、弩(いしゆみ)をもって待機する姿が表現されたこの彩色の兵馬俑は、剥落(はくらく)の危険から中国国内でも未だに常設公開がされていない、大変貴重なものとのことです。 大型スクリーンにより2,200年前の彩色兵馬俑を当時の色彩を再現し映像を放映していました。何度見ても飽きない華やかさです。 |
博物館前のポスター |
彩色跪射俑 |
中国・前漢の司馬遷(前145〜前87?)が著した『史記』は、黄帝を初めとする伝説の五帝から夏・殷・周の三代、秦、楚漢抗争期を経て前漢の武帝までの歴史を著述した全130巻という大著です。兵馬俑の発掘など数々の発見と研究よってその信憑性が明らかになり、改めて価値が見直されています。そして同時に、これらの発見は『史記』の記述からは知りえなかった世界を考古学上で明らかにしてきました。中国古代の世界の復元には考古学と『史記』が密接に関わっているのです。 『史記』は、日本でも、中学・高校の漢文や世界史で誰もが一度はふれたことがあり、歴史書としてはもちろんのこと、人生訓や処世術を学ぶ教養書としても読み継がれ愛されてきました。 本展覧会では、春秋・戦国時代から漢武帝までの約700年間に焦点を当て、司馬遷一族にとって激動の現代史といえる中国統一を果たした秦始皇帝から項羽、劉邦(漢・高祖)らの時代を中心に、『史記』と考古学の接点となる作品群を厳選し展示していました。 これまで土色の世界と思われていた秦始皇帝の兵馬俑は、実は極彩色の世界でした。 会場では、VR(バーチャルリアリティ)シアターで当初の鮮やかな彩色兵馬俑軍団の姿を再現し、現地では不可能な距離や角度から眺めることによって、その圧倒的なスケールを味わうこともできます。 |