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” 世界屈指の印象派コレクション オルセー美術館展の鑑賞”

S.O     

日時:平成18年10月2日(月)
場所:神戸市立博物館
 オルセー美術館 (Musee d'Orsay) は、フランスのパリにある、19世紀美術専門の美術館である。印象派の画家の作品が数多く収蔵されていることで有名です。 オルセー美術館の建物はもともと1900年のパリ万国博覧会開催に合わせて、オルレアン鉄道によって建設された鉄道駅舎兼ホテルであった。
世界屈指の印象派コレクションで有名なオルセー美術館は、1986年の開館以来、セーヌ河をはさんで対岸に位置するルーヴル美術館と人気を二分しています。
2006年12月にオルセー美術館は開館以来、世界中から5,000万人もの人々が訪れています。
 神戸市立美術館では過去2回(平成8年・11年)開催され、今回は開館20周年を記念しての開催です。

神戸市立博物館


ジュリー・マネ(あるいは猫を抱く子ども)

19 世紀の芸術家たちは、急激な都市化・産業化の波にさらされるなかで、それぞれの理想にかなう制作の場を探し求めました。自然あふれるフランスのノルマンディーやブルターニュの村々には次第に芸術家たちのコロニー(共同体)が形成され、やがてゴッホやゴーガンのように、南フランスのアルルや、遥か南海のタヒチ島にまで赴く作家も現れます。

← この絵は、ベルト・モリゾとマネの弟ウジュースとの間に生まれた娘ジュリーをルノワールが描いた作品です。
ジュリーは印象派の画家たちに囲まれた少女時代を送りました。
モリゾは、自宅にドガやルノワールをしばしば招いており、そのなかで1887年にルノワールに娘の肖像画を依頼したのです。
微笑をたたえた少女は、画家に命じられるままに首をかしげたポーズをとっています。膝上の猫は、幸福を満喫しています。
輪郭線を再び用いて描き、「アングル風」の時代と呼ばれている時期のルノワールの名作です。
→ この絵は、詩人ウ゛ァレリーによって、マネの作品の中で「ベルト・モリゾの肖像画以上に優れた作品を知らない」と絶賛された傑作です。この作品でマネは、彼女の顔と目の輝きを引き立たせるために黒い服を選びました。大胆な形の帽子がモデルの個性を際立たせ、しなやかな絵筆の動きで表現された、片側から当てられた逆光ぎみの光が影を生んで、モデルに強い存在感を与えています。襟の切り込みに付けられたスミレのブーケは第二帝政期に流行した、この花の香水を連想されます。モリゾは、マネの影響を受けた、印象派展に参加した画家で、1874年にマネの弟と結婚することになります。
 弟子であったモリゾはマネの作品にたびたび登場します。この作品では黒が効果的に使用され、横からさす光が若いモデルの魅力と知性を浮き上がらせています。 モネはルノワールより1歳年上で、ふたりはパリ近郊のアルジャントゥイユでしばしばキャンバスを並べました。この絵はアルジャントゥイユの家で制作するモネを描いたもので、「ベラスケスの光の輝きをもつルーベンスの如き作品である」と批評家ゾラに称賛されました。
 又、マネのアトリエの風景を描いております。 芸術家にとってアトリエは最も創作に密着した空間で、そこを訪れるモデルや友人達との親密な対話、彼らとの飾らない関係を表現して描いています。

「オルセー美術館展」のガイドブック他より。

すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ

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