会員便り
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”第21回 大阪薬科大学市民講座” 報告
健康とくすり
漢方薬の原料となる植物
〜漢方薬との上手なつきあい方を含め〜
(その 1/2)

会場:大阪薬科大学 講堂
日時:平成18年5月27日(土) 13:00〜
講師:大阪大谷大学薬学部漢方医療薬学講座教授
谿 忠人 先生
1.はじめに
人類の素朴な医療は「祈る(慰める)」ことでした。身近な動植物(天然薬物、生薬)を用いると「時として」痛みを和らげてきた。その結果、ケシの果実の乳汁(アヘン)、柳の小枝(皮)、コカなどの天然薬物を使用が世界各地で伝承されてきた。中国では有毒なトリカブトを減毒処理して附子(ブシ)という天然薬物(漢方薬)に仕上げ、また芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)という痛み止めの漢方処方も創案しました。  現在、ハーブと称されている天然薬物はヨーロッパの伝統医療に源があり、日本では中国の伝統薬物を漢方薬と称して利用している。
 ケシ乳汁の成分モルヒネは現在でも鎮痛薬の切り札です。ヤナギの仲間の鎮痛成分をヒントにしてアスピリンが開発されました。講演ではダツラ(チョウセンアサガオ:曼茶羅華)の有効成分が現代では消化性潰瘍の痛みに使用されていることや、江戸時代の医師、華岡清州が麻酔薬に使用していたことを説明された。

S.O     

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