会員便り
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"世界を巡る‥イスラームの世界”

関西大学公開講座を受講して
第2回【イスラーム世界とヨーロッパ‥オスマン朝・トルコ共和国・EU】


 講師  関西大学文学部 新谷英治教授    
EU(ヨーロッパ連合)拡大の変遷
    1951年、欧州石炭鉄鋼条約調印のフランス、ドイツ、イタリアなど6カ国が原加盟国。
 その後1995年に15カ国に、2004年には東欧ならびに地中海圏の10カ国が新たに加盟して25カ国になった。
加盟できない場合の経済的その他の不利が脅威となって東方の諸国を走らせている。
 2005年5月現在の加盟候補4カ国の中にトルコ共和国も含まれるが、過去のオスマン朝時代からのしがらみもあって受け容れには根強い抵抗があり、1987年加盟申請後いまだ加盟交渉にも入っていない。
 また、最近、フランスとオランダでEU憲法の批准が否決されたのもトルコ反対の要因がある。
「トルコ共和国のEU加盟」の歴史的意味合い
    かってオスマン朝が東ヨーロッパを征服し、さらに西ヨーロッパに迫ったことで、西ヨーロッパは政治的にも社会的にもその脅威の影響を蒙らざるを得なかった。
 イタリア・ルネサンス、イタリア戦争、宗教改革など、いずれも今日のヨーロッパに繋がる重要な社会変容をもたらした出来事にオスマン朝は少なからず関与している。  この後、一層の変容を遂げてゆく西ヨーロッパは、近世を生き抜き、現代において新たな変革を試みることになった。
 EUがトルコ共和国の受け容れに消極的なのは、人権および民族問題、不安定な経済などあるが、根源的理由としては、唯一イスラーム的伝統を色濃く残す非ヨーロッパ的なるものではなかろうか?一方、EUはキリスト教クラブともいわれている。
 現在、西ヨーロッパはEUの力の前に逆にトルコ共和国を跪かせ変容を迫っている。
 歴史問題は日本でも起こっており他人事ではなく、あらためて底の深さを感じます。
 講師の新谷教授は、役所勤めも経験されたそうですが、特にEU拡大の変遷図を年代を追って几帳面に説明されていたのが印象に残りました。

T.Y 記         

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