会員便り
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第30回 さつき花季展示会
園芸の楽しみと効用
(その2)

園芸の楽しみと効用
 あれは確か小学生低学年の頃だったと思うが、ある時柳の枝を庭の片隅に突き刺し、そのまま放置しておいたところ、ある日ふと目をやると、新芽があちらこちらから勢いよく噴き出ているのを見つけ、感動したことを覚えている。
その後もこの感動が忘れられず知識も無いままに、拾ってきた松の枝を地面に突き刺し、期待に胸を膨らませていたことを思い出す。(この結果は勿論言うまでもなかったが)今思えば、私の植物に対する思い入れの原点はこの時期に始まったように思われる。
 現在私の悩みは我が家の庭の空きスペースにいかに多くの植木鉢を詰め込むかであり、このため新たな置き場所をめぐって時として女房と熾烈な領土争い?をすることも有るが、結果として鉢数を先に増やし実績を先行させることで自分に軍配が上がっているのが現状である。
このほか趣味と実益(はるかに投資額が上回っており、実益にはなっていないが)を兼ねて、以前から僅かばかりの自宅裏の空き地を利用して、失敗しながらもナスやきゅうりなどの野菜類を作ってきたが、最近もっと多くの種類を作りたくなり、我が家の最も日当たりの良い一等場所であるベランダの活用を思い立った。このため数個のプランターを購入し、物干しの邪魔にならないように配置し、葱やサラダ菜など少量必要なものを植え、収穫品が食卓に出て来た時などはいちいち女房に、「これは家のものか」と、態々確認したうえで満足しながら食している。
 私は、園芸の楽しみとは植物を育てていく中で新たな生命を見出し、その成長を見つけた時の感動に有ると思う。
現在は環境破壊が進行し、人々が環境保全に無関心となっていると共に精神的にもゆとりの無いギスギスした時代となって来ているが、僅かな時を植物と親しむことで得られる心のゆとりと安らぎは、きっと人と人との関係にも良い影響を与えてくれるものと確信している。

N・M      


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