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夏になると“サロン”を思い出す

 今年も例年通り暑い暑い夏が来ました。
夏になると、僕がインドネシアのスラバヤの国営肥料製造会社ペトロキミア・グレシック社に1980年から総合肥料工場の建設の現場責任者として赴任した当時の事を思い出します。
外出時は、シャツにズボン姿ですが、宿舎に帰ってくると、サロン(インドネシアの民族衣装)に着替え、家の中では裸足の生活をしていました。
 赴任して間もなく、お客さん(工場長)から招待を受けて訪問した時にサロンをプレゼントされたのです。
その場で試着を進められ腰に巻いてみたが上手に巻けないので特訓を受けまいた。日本の浴衣の角帯が最初結べないのとおなじですね。
 そこで民族衣装の良さの話題で弾んだものです。
 サロン(sarong)とは、インドネシアやマレー半島でロングスカート状の腰布の一種で、平常着として使われている。
熱帯の気候に適用した機能的な涼しい服装で、風土に合っているため着用する人が多い。また現地のホテルなど制服として採用しているところもあります。
多くは木綿地でバティック染めやイカットと呼ばれる独特の絣などで多彩な文様を染め出す美しいものが多いです。
スカートのように筒の中に足を通して着装し、余りの布地を畳み込んで腰に挟む。布地のたたみ方に個人の趣味が現れ、着装者は思い思いに美しいひだを形作ります。
 日本でも夏場に浴衣や甚平は気軽に着られます。
でも最近少なくなったように思います。
それは、床の素材との関係ではないだろうか。
我々の借りていたインドネシアの家の床材は無垢の木製でした。
木の床に裸足それにサロンが良く似合うのです。
日本でも無垢の木の床に畳に素足で、浴衣や甚平はさまになりますが、スリッパを履いて浴衣・甚平ではさまにならないでしょう。
 先日も棟梁と話をしてみると、「日本の風土に適しているのは、無垢の木の床に畳だ」と言う事はよくわかっているとの事です。でも掃除の事を考えると、ワックスやシリコンコーキング(水気を吸わない)床材の使用を進めてしまうとの事です。
 このような事からズボンとスリッパの生活になるのでしょうか。

2015年8月10日    
記: 大岡 成一   


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