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史跡今城塚古墳
第9次調査現地説明会(その2)

平成17年12月10日(土)

 三島古墳群の中央に位置する今城塚古墳は、6世紀前半に築かれた淀川北岸で最大の前方後円墳です。
全長190m、南北には350mにもなります。
学術的には、「日本書紀」が531年没とする継体天皇の真の陵墓といわれています。
日本の歴史を知るうえでたいへん重要な文化財として国史跡に指定され、保存が図られています。
今回の第9次調査(その2)は、古墳の北西部を中心に内堤や内・外濠の調査を進めた結果、古墳全体の形状や埴輪列の配置状況を明らかにすることができた。
 2トレンチ 円筒埴輪列
内堤上面で検出された円筒埴輪列は、内側(内濠側)と外側(外濠側)の2列あり、内堤の両側部に沿うように並んでいる。
内側埴輪列は底部径30〜35cmの中小品を約5cm間隔でで蜜に配列していた。一直線に並ぶのではなく、5〜6本ごとのまとまりがわずかに蛇行するように続くことから、埴輪設置の作業単位と思われる。
円筒埴輪列は、外側に大形品、内側に小型品を多用する傾向がみられます。並べ方については、円筒の中心に合わせるのではなく、外側(外濠側)を揃えるように配置している。
 3トレンチ 検出された濠の深さは現況の地表面(標高25m)から約3mで、濠底はあらに約0.5m下方と推測される。
当初の水面高は列石の及ぶ範囲(標高23〜23.5m)に収まっていたようだ。
コーナーでは一辺30cm前後の3ケの平石を直列に、斜面の谷折れラインに沿って階段状に据え付けられていました。元は4個以上の石が並んでいたと考えられます。

 2トレンチの隅角部の小ぶりな埴輪(直径約28cm)は、近くに検出された埴輪片から朝顔型埴輪と見られる。
 1トレンチ 内堤の北側外濠部で外側埴輪列は、耕地化や排水管の埋設等によって内堤の裾部が削られ、埴輪列がかろうじて遺存する状態でした。
検出した埴輪は底部径40cm前後の大形品が多くを占めていました。コーナー部は崩落していたが、北辺と西辺の埴輪列の復元ラインから、北西隅の位置が特定出来た。
外側、内側の円筒埴輪列の屈曲点を結んだ延長線上には前方部北西隅が位置しており、当初から墳丘や内堤、埴輪列の位置をきちんと把握してうえで、墳丘構築、内濠掘削や築堤、埴輪配列をおこなっていたと解することが出来る。
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