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史跡今城塚古墳
第9次調査現地説明会

平成17年8月28日(日)

 三島古墳群の中央に位置する今城塚古墳は、6世紀前半に築かれた淀川北岸で最大の前方後円墳です。
全長190m、南北には350mにもなります。
学術的には、「日本書紀」が531年没とする継体天皇の真の陵墓といわれています。
日本の歴史を知るうえでたいへん重要な文化財として国史跡に指定され、保存が図られています。
今回の第9次調査は、前方部墳丘やテラスの遺存状況並びに埴輪列の 状況などを探るために行われた。
 1トレンチ 円筒埴輪列
埴輪列は縁辺近くの西辺から南西隅部にかけての範囲で遺在しています。西側ではほ一直線に連続してことがわかる。
前方部正面での二段目裾と埴輪列までの幅は約6mで、後円部で確認している3.5mより広いことから、前方部正面のテラス幅は意図的に広げられていたようです。
テラスの高さは、復元濠水面高(標高23m)からテラスまでの高さは、後円部が4m、前方部が6mとなり、前方部の高さを強調しているようです。
 3トレンチ 前方部二段目の盛土状況と葺石の有無を確認するために、前方部正面にあたる西側斜面に設定された。
葺石は、斜面裾付近で検出されたが、大部分はすでに転落してしまっていた。
遺物としては、漏土中から出土したメノウ製勾玉が1点が出た。

 勾玉は、淡いオレンジ色のかかった半透明乳白色を呈し、全長3.3cm、幅1.1cm、厚さ0.9cm。
紐を通すための円孔は片方からのみ穿たれており、孔の大きさは一方が4mm、他方の側が1mmと差が大きく、かろうじて貫通したような状態です。盛土中から単独で出土した理由は不明とのこと。
今後の研究課題です。
 1トレンチ南西角 円筒埴輪列
南西コーナーは前方部隅の三角状に曲がるのではなく、途中でほぼ直角に折り曲げた形に並べ、台形形となった角切り状になっていました。 検出された円筒埴輪は合計35個体分あり、底部から10〜15cm程度残存した状態でした。
それぞれの底径は30cm前後です。大部分は円筒埴輪とみられますが、コーナー付近で朝顔形埴輪の破片が見つかっています。


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