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5月 活動報告
大阪薬科大学市民講座
194回

健康とくすり(第2部)
老いと物忘れ

〜病気としての理解と、「生活する老人」としての理解〜

主  催 :大阪薬科大学
開 催 日:平成17年5月28日 14:30〜16:30
場   所:大阪薬科大学 講堂(講義・実習棟1階)
講   師:医師 大西雅彦先生
       医療法人光愛会 光愛病院
内   容:
1.老年期「認知症」とは
   「認知症」は、たんなる「年のせい」とは異なる病気として特長を持っています。
  その違いを覚えてください。
  1)この病気のかかりやすさはどのくらい?
     65才  70才  75才  80才  85才
      1%   2%   4%  10%  20%
  2)この病気の症状は?
    ○物忘れ
     ”最近の記憶”を、根こそぎに忘れてします。
     ”直前の記憶”はOK、”これからのこと”が低下している。
     特に問題になるのは”しわすれ”(展望記憶の低下)
    ○見当づけの失敗      まず最初は”時間” → 場所 → 人物
    ○判断力の低下
     行動を考えることが低下してくる。
    ○抽象的な思考
     抽象的なことから具体的なことが出てこない。
     (何が食べたい→魚が食べたい)
    ○日常生活に支障がある
     なれているから出来る→考えながら行動する。
2.治療出来る症状、できない症状
  1)予防できる、早期発見、早期治療で進行を防げる
    ○連想が進まない/いくつものことが同時に注意が振り向けられない
     /展望記憶の低下/抑制困難
    ○予防のためには”会話”の大切さ/食事による注意/薬による治療
  2)治る認知症
    ○甲状腺機能低下/ある種の水頭症/うつ病
  3)治る症状がある(生活破綻は、これらの症状による混乱が原因となることが多い)
    ○被害妄想
      物盗られ妄想・・・被害者
      共同体被害妄想・・・・身内の人
      せん妄、夕暮れ症候群・・・治ることが有る
3.老年期認知症の混乱した行動を「認知症を背負い込んだ人間の生きる姿」から読み解く

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