台風が接近している梅雨の晴れ間の7月15日、京都大山崎町の「聴竹居《をVG槻輪の会の「わがまち紹介《で訪れました。 JR山崎駅から徒歩8分。だらだら登りの山道を行ったところにあります。 藤井厚二さんという、建築家が自宅として建てた和洋折衷の平屋建ての木造建築です。 外観は洋風で周囲の深い緑に囲まれて埋まるように建っていました。 予約していた「聴竹居《には年配の男性が説明役として待って居てくださいました。 建築家藤井氏は自ら理論化した環境工学の知見を設計に盛り込み様々な工夫を住居に生かしておられます。 まず中に入ってすぐ気づくのは窓が大きく、広く作られていることです。 そして畳の部屋が約30センチメートル位高くなっています。これは和洋折衷で直ぐそばに洋間の椅子があり畳に座ったとき目の高さが椅子に座った人と同じようにするためなのです。 また少し離れた住居の下のほうから床下に土管を通して下の冷たい空気が屋内に入り、それが台所の上の天井から抜けるようになっており室内の換気と共に台所の臭気を逃がすことにもなります。現在のエコにも通ずる工夫です。 また大きいガラス窓を支えるため、柱を床下から天井まで通し、窓の部分以外は壁の中に隠したり、窓の柱と障子の合わさるところは柱に凸の出っ張りを作り、障子側には凹の溝を刻んで隙間をなくすなど説明して貰わなければわからない工夫が諸所の施されていました。 夏は涼しく冬暖かいというサンルームでは椅子を2客置いて座ってくださいと言われ、私が遠慮なく掛けると周囲の説明をした後で、そこに天皇陛下と皇后陛下が座られました。と言われびっくりして思わずお尻が浮きました。サンルームから以前は淀川など三川合流の景色がみえたそうですが、今は樹木が生い茂り見晴らしはよくありません。窓の外の庇が見えないように窓ガラスの上部をすりガラスにするとか、外は楓の木がたくさんありましたが、冬は葉が落ちて暖かい日光が入るということでした。そのほかいろいろの感心するような設備の素晴らしさに言葉もありませんでした。 一つには説明される方の深い洞察や,なによりこの建物にたいする強い愛情を感じました。そして私たちに伝えようとされる熱意がひしひしと伝わってきてとても素敵な一日でした。
2015年7月18日 |