わがまち紹介
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平成22年1月 わがまち紹介
" 富田の伝統の酒蔵見学:富田 "
【 その3/3:酒蔵見学 】

水の成分で酒の味が決まる!!
酒造りの原料として使う水に含まれる成分により酒質は微妙に異なります。
伏見(京都)の酒は、カルシウムやマグネシウムなど硬度成分をほどほどに含んだ水を用い、比較的長い期間をかけて発酵させています。このためなめらかで、きめの細かい淡麗な風味を産み出してきました。伏見の酒は「京料理に合う酒」として洗練されてきました。
灘(兵庫)の酒は酵母の栄養源となるミネラル分が多い水を用いるため、比較的発酵期間が 短く、やや辛口タイプの酒でした。灘の酒は江戸の人々の嗜好に合う「江戸送りの酒」としてそのタイプが次第に形づくられていきました。
かつては伏見の「女酒」に対し灘の「男酒」と呼ばれました。
富田の酒は、灘に近いと言われています。
現在は酒造技術が発達して、硬水、軟水のいずれを用いても辛口、甘口の酒を造り分けられるようになったとの事です。

洗米(せんまい)されたお米は、大きな甑(こしき)で蒸し上げられます。
昔はかまどで薪で湯を沸かして蒸した為に今でも屋根に煙突が有りますが、今はガスボイラーで発生させた蒸気で蒸しています。
蒸し上げられた白米をほぐしながらコンベヤの上で冷やしながら上の階に運ばれるようにしたとの事でした。麹(こうじ)菌が繁殖しやすい温度になると種麹を均一にふりかけてまぜ、温度と湿度を麹の繁殖に最適に管理されたステンレス張りの麹室(こうじむろ)に入れます。
昔はこれらの作業を全て人力で行っていたので多くの人が働いていたとのこと。

甑と釜

ステンレス張りの麹室

酒蔵の内部は大きな柱や梁や厚い床板は全て木製です。
上を見ますと昔ながらの大きな木の合掌です。
この木に囲まれた中でまろやかな酒が醸造されるのでしょう。
 発酵槽の中では小さな気泡が多く出ていました。
発酵槽の上部の口から覗いてみましたが、非常に危険で、落ちたら助けられませんと言われ、みんな腰が引けていました。

甘口酒と辛口酒の質問について説明をして頂きました。
お酒は、米の中の澱粉を、麹の中に含まれる酵素の力で糖分に変え、 更に、それを酵母の力でアルコールに変えるものです。
甘口と辛口の違いを解りやすく説明して頂きました。
このように製造現場で、製造に携わっている方に発酵の基本的な話をして頂き理解が深まりました。

発酵槽建家内

清鶴酒造では、昔ながらの槽での絞り込みをしておられます。
昔は天秤の先に石などの重りで絞り込みをしましたが、今は油圧で押すという違いだけです。
槽の内回りには滑りやすく竹の壁になっていますが、今では直してくれる職人がいなくなってしまったとのことです。
試飲の時には、各酒の特徴を説明して頂きました。
帰りには、しぼりたてのお酒、酒粕と試飲に使用したグラスをおみやげとして頂きました。

昔ながらの槽での絞り

製品の品々/試飲風景


酒蔵の内部

右は常務の石井清祐さん

右は但馬蔵人の田中さん

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