日本山村硝子は、わが国製ビン工業の黎明期、大正3年(1914)に西宮で創業され、現在まで95年わたってさまざまなガラスびんつくりを、東京・埼玉・播磨・大阪の各工場で製造されています。 国内シェアー40%、製品は1,200種類を超えるとのことです。 日産能力2,100トン(約1,000万本)に達する規模とのことです。 品質向上、環境改善を目指して、ISO9001、ISO14001をガラスびん全工場で取得し、すぐれた製品とサービスを通じて社会に貢献することを企業理念としておられます。 |
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日本山村硝子(株)大阪工場では、大きな会議室で会社概要・ビンの特性・製造設備等のを受けました。 大阪工場は、高槻市芝生町1丁目(高槻市芝生図書館の東側) 面積が約36千平方メートル (甲子園球場の面積=39,600m2) 生産能力7万トン/年 従業員が345名とのこと。 24時間連続生産で炉の停止は出来ないとのことです。 |
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大阪工場/工場南側 |
大阪工場南門側 |
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↓ 製造工場の見学前の白衣姿 見学者のゴミが製造ラインで製品に入らないために、頭には白のネットと安全帽、白衣・軍手、靴にカバーなどを装着します。 見学は製造工程順に回りました。 1. 原料 主原料の珪砂、ソーダ灰、石灰石、カレットは、3階に有る大きなホッパーに運ばれ、そこから供給されます。 副原料として、清澄剤、着・消色剤も使用される。 2. 調合 原料は、自動的に計量され、1階の混合槽で均一に混合され、溶解炉の上にあるホッパーにコンベヤで運ばれます。 |
3. 溶解 調合された原料が一定量ずつ溶解炉に投入され、1,600℃まで加熱され、解けたガラスになります。 加熱には天然ガス・重油を併用して使用しておられました。 4. 成形 真っ赤に解けたガラスの塊(コブ)を製ビン機の金型の粗型に送りこみ、まず大きな形に成形。次に仕上げ型に移してビンの形に成形されます。 出来たびんは、コンベヤで順々に流れ出て来ます。 見学で一番興味のもてた場所です。(びんが出来てくる場所です) 見学時は「色つき丸形焼酎びん」が出来て来ました。 |
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説明会風景 | ||
5. 徐冷 製びん機から出たビンは急に冷やすと割れるので、徐冷炉でゆっくりと冷やされます。 6. 検査 徐冷炉から出てきたビンは、各種検査によって全数検査されます。 7. 梱包・出荷 最後にビンは出荷先に合わせて、バルク包装やカートン、プラスチックケースによる包装をし自動倉庫に保管されます。 倉庫は外気を入れないように中は加圧されています。 |
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見学前の服装 |
ビンと環境等の勉強 | |
日本山村硝子(株)大阪工場を見学させて頂いて、まず驚いた事は工場内が整然と整理され非常にきれいです。 ガラスの主原料の珪砂、ソーダ灰、石灰石、カレットは、粒子・粉末ですからダスト状の粉塵が発生するはずですが、原料投入部でも粉塵もありませんでした。 工場見学前に白衣・マスクを着装しましたが、これは食品容器の製造工場であるが為の安全衛生の品質管理上であることがわかりました。 多くの製造工場では、ISO9000,14000の認定を得ていますが、これこそ認定の会社だと確信しました。 次に、ビンは重いから敬遠され衰退していく容器ではないかと思っていましたが、安全で環境に優しい容器でこれからの容器として見直され、米国・欧州では年々消費が現実に増えています。 |