平成18年 8月 わがまち紹介
"自然と史跡の探訪:大山崎"(その4/5)
【 離宮八幡宮 】
離宮八幡宮 JR山崎駅を降りてすぐの南西側に「油の神様」として有名な離宮八幡宮がある。平安時代の初めころ、太陽がわが身に宿る夢を見た清和天皇のお告げにより、豊後国の宇佐八幡宮から神霊を奉じて帰郷した僧行教が山崎の地に霊光を見たので掘ったところ、岩間に清水が湧き出したので、石清水八幡宮を創建したとのことである。その後、石清水八幡宮は、対岸の男山(八幡市)に分神され、山崎の八幡宮は嵯峨天皇の河陽(かや)離宮があったことから、離宮天満宮と呼ばれるようになった。 ・ |
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高麗門(正門) |
本邦製油発祥地石碑 |
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→ かしき石
離宮八幡宮の南には淀川が流れ、嵯峨天皇の河陽宮のあった頃には山崎橋がかかり河岸に相応寺、橋の上流には山崎津(港)がありました。かしき石はその相応寺の塔の心礎であるといわれています。 舎利器を納める為の二重の穴が刻まれていたものを後に小鉢として利用する為扇形に彫り広げられたものだと考えられています。唯、舎利器を納める為の二重の穴を持つ礎石は奈良時代以前のもので相応寺創建の時代と合わない為、古くから山崎にあった寺院の礎石が再利用されたとも推測できます。 |
↑ 油祖像 山崎の油売りは、主として山崎石清水八幡宮の神人(寺社の雑役、力仕事をする人)として八幡宮の燈油を納め、日使神事(八幡宮の例祭)の頭役、御綱引き(淀川を渡る船を引く)といった奉仕をしました。 これにより八幡宮の保護を受け油座(同業者組合)を結成し、関所の通行料や津(港)の使用料免除といった特権、製油独占権を得、その活動範囲は東海、瀬戸内、四国、九州にまで及びました。 |
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かしき石 |
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→ 荏胡麻(えごま)
シソ科シソ属の一年草。インド・中国原産の油料作物。高さ約1メートル。茎は四角。葉・茎は浅緑色、葉は一種の臭気がある。花は白色。果実は小さく、炒ってごまの代用、また荏油(エノアブラ)を採る。 葉は緑色で揉むと嫌な臭いがする。もとは油を採るために畑などに植えたものだが、日本では人家の辺りで野生化している。 果実に油が多いので食用とする。また、昔は搾った油を和紙に塗り、油紙や雨傘などの防湿・防水用に使われた。 |
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拝殿 |
荏胡麻(えごま) |