9月 わがまち紹介
""高槻の治水を考える:番田大樋と番田井路(その3/9)
高槻の川の特性
3. 高槻の川の特性 高槻市域を流れる主要河川としては、市域の南東辺を画す淀川を筆頭に、南北に細長い市域のほぼ中央部を貫通する芥川と、その支流女瀬川、市域東部を南流する桧尾川などをあげることができる。 1) 桧尾川流路の人工的改変 この安満山南麓沿いに曲流する桧尾川の現流路が等高線に平行しており、本来等高線を横切って流れる性質を有する河川の流域としては、極めて不自然な様相を呈している。 図3 桧尾川谷口付近の流路と等高線 は、この関係を示したのもであるが、ここでさらに注目されるのは桧尾川の谷口を頂点として京大農場付近にまで及ぶ同心円状の等高線の存在であり、これはこの地区が往時の桧尾川によって形成された扇状地であることを示している。 この部分の桧尾川の流路が現在のように固定されたのはいつ頃で、どのような事情によるものであったか、明確な証拠は残されていない。 15世紀前期頃までに、安満庄の一部をなす桧尾川扇状地でも開発が進められ、その耕地桧尾川の洪水から守るために桧尾川の流路を現在のように人工的に固定するとともに、扇状地上の耕地に対する灌漑用水を確保するために所々に溜池が構築されたと思われる。 図4 安満山南麓の桧尾川断面図 (実測地点は磐手杜神社前の橋より100m東方のところ) |
図3 桧尾川谷口付近の流路と等高線 図4 安満山南麓の桧尾川断面図 |
2)天井川 安満山南麓の山手町と萩之庄との境界から南流して淀川に至るまでの桧尾川は典型的な天井川を形成している。 このような天井川は、人工的に築堤によって河道が固定された結果、堤内のみ土砂が堆積し、河床が上昇して氾濫の危険が増大すると再び堤防のかさ上げと河床の上昇とのいたちごっこによって形成されたものです。 図5 桧尾川下流の横断面図 A:阪急京都線桧尾川鉄橋南方の横断面 B:中堤橋北横断面 |
図5 桧尾川下流の横断面図 |