かおる会 会員便り
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きこりの会
“夏の見学会”

11期 江 見 章 臣  

 かおる会の皆さん、暑中お見舞い申し上げます。11期の江見です。小生が所属しています「おかざき自然体験の森」の整備作業ボランティア「きこりの会活動」の第5報を投稿します。
平成28年7月24日に、「健康づくり」「樹木観察」「歴史勉強」を目的として、岐阜県関市の「21世紀の森」と美濃市の「うだつの上がる街並み」を見学してきました。

◆株杉の森
 岐阜県関市の「21世紀の森」には、巨大な「株杉」が群生しており、全国的にも唯一の地域とのこと。株杉はちょっと京都北山にある台杉にも似ていますが、根元が非常に太く、そこから萌芽した幹が何本も出ている杉です。
 説明によれば数百年もの間、幹を切って収穫しては萌芽更新をさせていた結果できたものだとか。
1株の上に萌芽し成立する幹は平均6本、多いものは20本以上もあるそうです。
この森には100株以上の株杉が確認されており、直径1mを超えるものが30株もあり、樹齢は大きなもので400〜500年と云われています。
 私たちきこりの会員は、樹木に適切な手を加えることによって、里山を健康な状態に保つ活動を続けていますが、あらためて自然の不思議さを物語る珍しい杉に感動させられました。

◆うだつの上がる街並み
 事前にボランティアガイドを予約しておき、当日はガイドさんの話に耳を傾けながら見学しました。
「美濃は1,300年も昔から高い紙漉きの技術で全国に知られており、江戸時代になって飛騨3万石を治める金森長近公が領主となり、小倉山城と城下町を築いた。水害を避けて丘の上に築かれた美濃城下町は、水利が乏しかったことから、防火や類焼防止のために、家々にうだつが設けられるようになった。その軒飾りは、次第に富を競うかのように凝った装飾となっていった。
」とのこと。

うだつの上がる街並みと美濃史料館(旧今井家)

 正倉院に保管されている日本最古の紙は、大宝2年(702年)の大宝律令の際、美濃国、筑前国、豊後国で漉かれた戸籍用紙だそうです。
1,300年も昔でありながら、美濃の和紙は繊維がむらなく絡み合い、現代のものと同じように柔らかみのある独特の肌ざわりを持っているとのこと。
 美濃和紙の中で「本美濃紙」は国指定の重要無形文化財にもなっています。
史料館となっている今井家は、江戸末期から昭和16年ころまで、庄屋を務めていた和紙問屋。
現在も当時のままの贅をつくした佇まいを見ることができました。
 ガイドさんの説明で、うだつの主目的は防火や類焼防止のためでありながらも、本当に富を競っている様が見てとれました。今も町屋それぞれの造形を見ることができ納得させられました。

以上

平成28年8月2日     

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