かおる会 会員便り
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最新の抗癌剤治療の記録


やっと春らしい気候になってきました。
かおる会の皆様におかれましたは、お変わりなくお元気で御活躍の事と存じます。
以前にも我々「工大同期八人会」の活動は、時々かおる会に投稿していますが、卒業後約半世紀交流を続けていて、夫婦揃って元気なのを誇りにしていました。
しかし70歳を超えると大なり小なりメンバーにも何処か体調不良が出てきています。
3年前にはメンバーの一人(A)が初期の癌が見つかりましたが、放射線治療で治癒し、以前と変わらずお酒も飲み、現在は趣味に没頭しています。
今回は、もう一人のメンバー(B)が、定期健診で虫垂癌が見つかり、先月から癌専門の大学病院で、治療をしています。
彼の報告によると、副作用(倦怠感や脱毛)のない最新の抗癌剤治療をしていると聞きましたので、皆さんの参考になるので、治療経過を書いてくれるよう、 お願いしました。
彼は技術屋ですので、さすが克明に記録していて、新薬の効果で完全治癒すれば、立派な臨床記録になるのではと思います。
その記録を、彼の了解を得て、かおる会に投稿します。
今回は第1報ですが、今後の治療経過も書いてくれると思います。

2015年3月19日    
10回卒・緒方正文    


【工大同期の親友、Kの癌治療報告】


 かおる会の親友から 私のがん 治療について 皆さんの参考になるので原稿乞う、とのこと、抗がん剤投与の副作用には個人差が広く 私のが参考になるとは思いませんが、こんな症状のヤツが居るんだなー、程度に思ってください、
T、経緯
 昨年5月に行きつけの内科院に行き高血圧の薬をもらいに行ったとき先生から「 暫く内臓見ていないからCT検査をしようか、」と云われ ワシは仕事も辞めていて暇なので断る理由もなく 「分かりました」と返事、8月に検査をしました。
結果は「肝臓に影がある、これは何者かをしらべる必要あるので 大きな病院にて精密検査しょう、紹介状とデーターを書く」と云われ大きな病院にまわりました。
そこで、大腸検査をすると言われ「内視鏡がベターだが予約が3か月先になるため、バリュウム検査をしよう」とのこと、バリュウム検査にした結果は 「大腸はきれい 、向こう3年 何もしなくて良い」。ワシの家系は脳疾患(知る限りがんはいない)なので当然と思った。
引き続き次に胃の検査をした(今度は内視鏡検査)、喉の麻酔をしてから 看護婦さんに 検査室に連れて行かれ 口に器具をテープで固定、内視鏡の先端を口から入れ込み食道、胃、十二指腸へと挿入(食道通過の時は異物除去作用か むせかえり大変な思い、看護婦さん 背中をさすりながら 「力を抜いてェー」、と介護。
結果技師曰く「胃炎で部分的に腫れているが 腫瘍はなし 問題ない、結果は次週先生から」。先生からは同じことを云われた、しかし、「前の大腸検査(バリュウム)では見つからなかったが 虫垂の隠れたところに影が有るようだ、内視鏡で再検査をする」とのこと、検査は「先端を直腸から挿入徐々に進み小腸との接点盲腸のところまで届くと 技師「やはり ありますねー 。手術のための印をつけておきます」と云い黒色の液体をぐるりに注入した。 別のモニターで患者も見ることが出来 そこには 何と気味の悪い、いかにも悪玉のような塊が見え そこから血が滲み出ている様子をみた。
ワシ「気味が悪いですね、こんなもの早く取り除いてほしい」と会話、それから先端をゆっくり引き戻し腸壁を検査して行くと、「別のポリープ2か所あり記録にとどめておこう」。
次の先生の診断で,これは がんと宣告された。引き続き 肝臓、肺 のCT検査を行いました。結果「 肝臓に5か所の転移が有る、肺には疑わしい影がある」との診断、「まずは 大元の虫垂がんの切除をおこない、そのあと 肝、肺の抗がん剤投与」 の方針を伝えられました。ワシ(こんなに元気で毎日 ウオーキング、食事、お通じ良好 なのに なんで、こんなことに?実感なし!
しかし 自分で目の当たりに悪玉を見せつけられると お医者さんを信じて急いで治療開始せなばならない と決心せざるを得なかった!
 この話は何時もの御近所での挨拶のバカ話で「私も年です」などの話したら、おどろく人もなく「あっちのオヤジ、こっちの ばばぁーがどうした こうした」と話題のもりあがり、以前は がんは"不治の病"隠すことはあっても 自ら云うことは無かった と思うが、いまや二人に一人かかわっている状況で一般的な病との認識のような気がする。
そのなかで、病院の話が当然でてきて、いくら機械のレベルが一流でも、生かすも 逆も 先生によるものだ、との集約意見、どうせやるなら都内の実績の多いところにしたら?、ワシ他人の意見など当てにならない!と思っていたが、いざ自分のこととなると懸命に耳を傾けている(かってな人間だ と気が付く)。 そこでダメ元でも先生に話してみた。先生「患者さんが あとで 悔いのないように することが大事、紹介状とデータをすぐ用意するから 行ってみなさい」、そこで都内病院に行くことになった。
U、治療
本題に入る。紹介状があれば対応が速いのか 初診1月27日 大腸外科、2月4日 大腸内視鏡、CT検査、 2月19日消化管内科診察、3月23日AM入院、3月27日AM退院(一回目 抗がん剤投与)、3月10日 通院(2回目 抗がん剤投与)
 初診大腸外科:先生「虫垂がん から既に肝臓、肺に転移、治療は微妙だ!虫垂がんの切除を先にすると 治るまでの時間 肝、肺の方は出来ない。逆もまた出来ない。消化官内科の専門医と相談しながら決めてゆく。 最近良い薬が出て いるので治療はする。治療の条件は付けないで欲しい。一番よい方法を検討しておこなう。そのためには"臨床検査治療"を行うので患者さんの同意者署名が必要」。ワシ、ここで治療するしかなし と覚悟を決めていたので早速サインした。
その後連絡あり 消化管内科を先行するとの連絡あり、次回は消化内科の診察となった。体調は元気だったが このころになると みぞおち から背中にかけ 痛みはないが 重苦しい違和感を感じるようになり 昼間はあまり気が付かないが 夜明けの静かな時にこれが現れ やはり病状なのかなぁ〜、と不安感が漂うようになって 何でもいいから薬の投入をしてほしい、と思うようになっていた。ただし、日中のウオーキング、食事、通じ、など元気でやっていた。
 消化管内科診察:先生「病名:盲腸がん、肝臓に10か所、右肺に10か所、左肺に10か所 すでに転移血行性転移、ステージ4、
治療の目的:根治は難しいが、がん進行を遅らせて より良い状態でより長く生きる、全身化学療法でスタートする。
遺伝子検査により7種類の薬剤を適材適所で配合、まず 投与の為の小さい器具(バスケットカテーテル)を 手術で胸の一か所に埋め込む。入院4泊5日(2日は埋め込み手術、後は5種類の投与3.5Hr 点滴。残2種類は46Hr 自宅投与(最初の針刺しは退院時に行った)。あとは2日/月の通院、自宅46Hr投与を繰り返す。
以後1ヵ月ごとに検査、CEA0.0〜5.0に近くになったら がんの進行は一応抑え込まれた現象なので、盲腸がんの摘出を実施 現状CEA385.0異常値。先は長し。
副作用の現象
抗がん剤の副作用についての お話をうけた、嘔吐、下痢、手先のしびれ、倦怠感、など(脱毛はほとんどない)とのこと。それぞれの対応する飲み薬を退院後に用意する とのこと。
 入院23日 午後からバスケットカテーテルの手術、24日、25日投与、26日帰宅。
投与1回目(24日5種類点滴投与3.5Hr)便不通、他異常なし(25,26日2種類投与46Hr)。
便不通、他異常なし、26日 朝食70%,なるも全品平らげ。便不通、倦怠感70% 喉のリンパ腺少し腫れあり パソコンも見る気もせず、好きなNet囲碁もやる気なく すぐ横になった。
副作用が出てきたか?(2回目の投与後は出ない) 先生に話し、下剤呑む(しかし不通)、27日朝 更に強い下剤をもらい退院。リンパ腺の微小な腫れは問題ないと。
28日便秘悪化、先生にTEL、便を柔らかくする薬、と腸を活発になる薬 両方服用せよとの指示により、少しずつ改善、
3月1日〜4日頃まで体調60~70%,(主に倦怠感)5~7日徐々に体調回復、8~9日回復、
10日通院2回目投与、11~今13日夕刻80%ほどで来週中ごろには ほぼ回復するだろう。
3月20日は友人来京。
4月15〜16日の親友画家の光風会展(東京国立美術館)は、丁度回復日で問題ない時なので、皆に会える。
今日3月13日現在こんなところです。
まだ2回目の投与で何が有るか解らないが、副作用は新薬のせいか少なく、まずまずのスタートか?

以上   



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