□□|
目次へ
かおる会 会員のホーム・ページ
かぎろひ
第9期 毛利 征夫
ひむかしの 野にかぎろひの
たつみえて
かえりみすれば月かたぶきぬ
万葉集第二 柿本人麻呂
今少しの時間で朝焼きが広がります
この歌は、692年冬 歌人柿本人麻呂が阿騎野の夜明けを詠んだ詩である。
今私がたたずんでいる所は生駒地方と大和平野との境を南北に走る矢田丘陵で大和平野が一望出来る国見台と呼ばれる地点である。
その昔、古代の人々が斑鳩や飛鳥の里から大阪に向かい途中、このあたりに足をとどめ かぎろひに映し出された我里をふりかえり 残してきた家族や 恋人にしばしの別れと惜しんだことから、この地をこう呼ぶようになったのであろう。
今では日課となっている山歩きの道すがらこのあたりにさしかかるとその歌を思いだす。
人麻呂が阿騎野で目にした朝焼きの情景と現在の大和平野それとは、多少スチェーションの違いがあるかも知れぬが、かぎろひに映し出された山々の美しさに胸を打たれながらも、一抹の寂しさを感じた人麻呂の人麻呂の心境がわかるような気がする。
平成16年1月30日
この写真は、山歩きの時間に撮ったものです
今少し時間が経過すると朝焼けが広がります
本文は、平成16年1月30日毛利征夫様からの原稿を搭載したもです。
□□|
目次へ